こんにちは、CarBoon編集部です。
今回の記事は、タイトルの通りです。そう…
CarBoon、レースに参戦します!!
遡るとちょうど1ヶ月前。ひょんなことからお声がけをいただき、新進気鋭のフィアット・アバルトショップである STELLA(ステラ)のパーツテストを行った日のこと。
現在開発中のアバルト用パーツのテストメニューを順調にこなし、終盤に差しかかった頃。STELLAの代表であるシュータさん(今後たくさん出てくると思うので、是非覚えておいてください…)から、
「セイタローくん、アイドラーズ12時間耐久にドライバーとして出ようよ!!」
と、なんの前触れもなく提案されました。
そんなこと言われても…それまでに参戦したことがあるのは“e-スポーツのレース”と“カートレース”、あと“走行会”程度。実際にこのようなレースに参戦した経験もないし、ましてはカートとは違ういわゆる「箱者」のレース。しかも12時間耐久!!!
その提案をもらったときには、瞬時にさまざまな不安要素が頭をよぎりました。うーん…どうしよう…レースしたことないし、「アイドラーズ」なんて言ったらクラシックカーからスーパーカー、レーシングマシンまでが一同に会すr…
「やります。是非出させてください。」
頭で考えていたこととは裏腹に、言葉に出ちゃっていました。やりたい。
ということで、2023年の8月6日にモビリティリゾートもてぎで開催されます、アイドラーズ12時間耐久レースに、代表のセイタローが参戦します。
アイドラーズ12時間耐久レースってどんなレースなの?

冒頭でもすこーし説明しましたが、今回参加する”アイドラーズ12時間耐久レース”とは、一体どのようなレースなのでしょうか。簡潔にわかりやすく説明すると…
『究極の草レース』
と言っても過言ではない、毎年開催されている”夏の風物詩”な耐久レース。
参戦マシンの幅が広く、GT3と言われるゴリゴリのレーシングカーから、自動車の歴史を語る上では外せない名車など、時代の差では半世紀以上、価格では何千万もの差があるクルマたちが入り乱れる、世界でも類をみないレースです。
ちなみに、大会名でもある”アイドラーズ”という名前は『idler=なまけもの、暇人』という言葉が由来で、
クルマ趣味が高じて家を追い出され犬小屋に住まう男の意味をその名に付けたイギリスのドッグハウスクラブのような気持ちがアイドラーズクラブ命名のヒントになりました。
我々が行うのは「idlers Games」。 「大人の少年の日」をクルマで競い楽しむのです。
公式サイト idlers Clubからの引用
ということらしい。いかにも、日本トップカテゴリのレースとは違い、クルマ遊び・夏の思い出・レースというさまざまな要素を、同じクルマ好きの仲間たちと楽しむことに重きがおかれた、アットホームなレースイベントと言えるのではないでしょうか。
そんなレースに、我々CarBoonは参加させていただくことになったのです。
レースは「走る実験室だ」

自動車に求められる基本的な要素は「走る」「止まる」「曲がる」の3つ。その3つの要素が高いスピード域で、一般走行よりもより過酷な状況で、なおかつ高いレベルで求められるのが「サーキット走行」です。
日本が世界に誇る自動車メーカー『ホンダ』を設立した 本田宗一郎 は、見出しにもあるように
「レースは『走る実験室』だ」という言葉を、生前に残しています。
レースの厳しい環境を安全に走破するために必要な要素を、市販車やパーツにフィードバックする。それは、現在まで自動車産業を進化させてきた重要なことなのです。
そんな「走る実験室」を、このSTELLAでも活用しない手はない!ということで、製品化前のパーツたちを、今回のアイドラーズ12時間耐久レースで投入し、購入いただけるユーザーの皆さまにフィードバックしていきたいという、代表の熱い思いから、参戦するに至ったと言います。
クルマはもちろん…

今回のレースで使用するクルマは、もちのろん!!アバルト500です。
このアバルト500は、STELLAのパーツ開発のベース車で、このクルマが壊れてしまったら替えはありません(笑)
いや、壊さないように走るということで!パーツの有無に関わらず、レースではそこが一番重要です!!
装着する試作パーツとしては、
- ブレーキパッド
- リアタワーバー
- マフラー
の3つ。そのパーツたちを簡単にご紹介します。
性能もさながら「手に取ったときにの可愛さ」も考えたブレーキパッド

一見すると普通のブレーキパッド?と思うと思いますが、普通のブレーキパッドと違う部分が…
色がついている!!
アバルト系では「SPIRIT(スピリット)」という車高調を販売している「ACRE(アクレ)」の社長さんに直々に制作をお願いしてもらっているこだわりのパッド。
『レーシーにしすぎない』というのが代表のこだわりらしく「クルマ自体が凄く可愛いので、STELLAとしては“買った時の高揚感”や“カッコかわいさ”に重きをおいてパーツを作っています!」とのこと。

確かに、キャリパーから見えるロゴがすごく可愛い…!
「アイドラーズ12時間耐久レースに出たいんですけど…」というSTELLA代表の思いのままに制作されたこのパッドの性能はオリガミ付きで、耐久レースを想定したテストでも、常に負荷をかけ続けてもなお制動力に大きな変化はなく、安心して止まる・ブレーキを踏んでいけるスペックとなっています。
さまざまなドライバーがテストをする中での評価も凄く高く、レース終了後に問題がなければ、そのまま量産体制に入るということです。
見た目のインパクトよりも…

先ほどの『レーシーにしすぎない』というこだわりから一変、パイプ丸見えでカッコいい感じなデザインのこのマフラー。
こちらも考えた上でのデザインらしく「他のアバルトのカスタムを見ていると、多くがディヒューザーを大事にしていると思うんですけど、我々STELLAはショップとして後発も後発なので、あえてディヒューザーを取ったデザインで、マフラーパイプを思いっきり見せる形で作りたいという思いからこのデザインにしています!」とおっしゃっていました。
今までにはない奇抜めな見た目ですが、パイプの径や音の響き方、熱が入った時を想定したマフラーの釣り位置など、見た目のみならず、音質や安全性もきちんと考慮されて制作されています。

このデザインから「結構ウルサいんじゃないの…?」と思う方も多いと思いますが、なんとびっくり「”レコードモンツァ”よりも静かなマフラー」ということ。
購入時から装着しているクルマも少なくない、アバルト純正マフラーである”レコードモンツァ”。そのマフラー独特のゲロゲロなる音質と、大きく響く音量を落としたいというテーマで開発がなされたこのマフラーは、1割〜2割程度の音量に抑えられています。
また「ターボ車だけど”NA(自然吸気)”の音を響かせたい!」という代表の思いから、エンジンの回転数をあげたときには甲高いまさに”NA”のような音質で、ジェントルながらも嫌じゃない快音を唸らせます。
最初は「これ本当に効くんだろうか…」と思っていたタワーバー

曲げパイプとなっているリアタワーバー。企画段階の早い段階で名前が上がっていたパーツということなのですが、代表は「製品を自分で開発するまで、見た目がカッコいいだけ、”オカルト的”なパーツなんじゃないか…?と半信半疑でした(笑)」と話します。
確かに、あまりクルマをよくわからない方からすれば…
「後ろの棒の分、荷物が乗らないじゃん!」というご意見や「洗濯物の干し竿みたいなこの棒、意味あるの!」というご意見が多数寄せられるのも納得です。
ただ…侮ってはいけません!
実際に筆者も体験したのですが、直進安定性や旋回時の安定性が段違いに向上している感覚があり、同じクルマとは思えないくらいにしっかり、シャキッとした印象を受けました。

テストの際にはパイプはそのままに、タワーバーの実際の剛性を保っているブラケット・ステーの部分をかなり詰めて開発しており、板厚を変えたバージョンで何度もテストを実施。板厚を変えた合成の強弱で、どう挙動が変わるかをテストしています。
代表曰く「アバルトは『リアシートに人が乗るとクルマがしっかりする』んですけど、それと同じような作用・効果が得られると思います」というように、初心者である筆者も感じられました。
トランクのど真ん中にタワーバーを付けることで気になるのは…「トランクの積載量」ではありませんか?
これ、タワーバーがストッパーになって、倒したリアシートの上に荷物を乗せても、その荷物が動かないんです!お買い物にもすごく助かるものなのです。
…
……
という部分を、是非とも奥さんにプレゼンし、このタワーバーの効果を確かめてみてください…(笑)
※その口実を使ってプレゼンをし、あまり上手くいかなくても責任は負い兼ねます…
そんなこんなで…レースに向けて着々と…!

本番想定のタイヤ交換も…
レースは暑さが本格化している8月6日。初めてのレース参戦でわからないことだらけなのですが、気持ちの準備は万全!!
近々、モビリティリゾートもてぎを走ったことがないメンバー(6名中5名)を招集し、コースを覚えるために秘密の合宿をするとかしないとか…
CarBoonでは今後も【レース参戦記】と題して、レースに向けた準備から何から何まで、記事にてお届けする予定ですので、お見逃しなく。