名前は「ヴァリアント」でもカタチはクーペ
アストンマーティンは6月26日、ハイパフォーマンス2ドアクーペ『ヴァリアント』を欧州で発表しました。世界限定38台を生産する予定ですが、すでに完売したとしています。
『ヴァリアント』はアストンマーティンのスペシャリティモデルである『ヴァルール(=Valour』をベースに、公道仕様でありつつも、サーキット走行に重点を置いて設計された特別なモデルです。アストンマーティンのビスポーク部門である「Q by Aston Martin」によって製作されたこのモデルは、高い希少性、存在感、そして性能を兼ね備えています。
『ヴァリアント』は、アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チームのフェルナンド・アロンソ選手の個人的な要望によって製作されました。彼のF1での経験と限界を追求する情熱によって触発され、「Q by Aston Martin」の専門家たちによって入念にデザインされ、製造されます。
『ヴァリアント』は、5.2リッターV12ツインターボエンジンの力強いパフォーマンスと最新のエンジニアリング技術を組み合わせたモデルです。レーストラックでの優れた性能を発揮し、公道でもスリリングなドライビング体験を提供します。最高出力745ps、最大トルク753Nmを誇るエンジンと6速マニュアルトランスミッションを組み合わせた、刺激的な走りを実現しています。また、そのパワフルな走りに合わせて強力なカーボンセラミックブレーキが標準で装備されています。
加えて、3Dプリンティングで製造されたリアサブフレーム、マグネシウム製のトルクチューブ、軽量なマグネシウムホイール、リチウムイオンバッテリーなど、車両の軽量化とシャシーの調整に関する最新技術が多く採用され、これらによって車両の剛性を維持しつつ、重量を大幅に削減することに成功しています。
足回りには、マルチマティック社のアダプティブ・スプール・バルブ(ASV)ダンパーが装着されています。このASVシステムは、32個のダンパーカーブをわずか6ミリ秒以内で調整可能な最先端のサスペンション技術で、乗り心地とハンドリング特性を幅広く調整できます。
また、プリセットドライビングモード(Sport、Sport+、Track)は『ヴァルール』からリセッティングされており、ドライバーはクルマの性能を最大限に引き出すことができます。これらの最新のテクノロジーによって、クルマとの一体感を高め、最大のパフォーマンスを発揮することができると説明しています。