オープンエアまで楽しめるスポーツBEV
ポールスターは7月11日、イギリスで行われた自動車の祭典「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」にて、ハイパフォーマンスモデルのコンセプトカー『コンセプトBST』を発表しました。
1990年代にボルボ車をベースにレースマシンを開発するワークスチューナーとして名を馳せたポールスターは、現在、独自のEVを開発・販売する電動車ブランドとなっています。もともとボルボとの関係が強かったため、2019年に発表された『ポールスター1』と『ポールスター2』はボルボテイストの濃いデザインでしたが、2022年以降にデビューしたSUVの『ポールスター3』や『ポールスター4』は一転して独自路線に転換しました。
『コンセプトBST』のベースとなった『ポールスター6』は、セダンタイプの『ポールスター5』に採用されたアルミニウムプラットフォームを短縮して構成された2+2シートの電動ロードスターで、独自開発によるデュアルモーターによって650kW(896ps)/900Nmを発生するパワートレーンを搭載しています。これにより0~100km/h加速は3.2秒、最高速は320km/hに達することが公表されています。
今回発表された『コンセプトBST』には、L字型のデイタイムランニングライト4つを組み合わせたフロントマスク、エッジを効かせた前後のフェンダーライン、大きなくびれを作っているボディサイドの造形など、エクステリアの特徴は紛れもなく『ポールスター6』ですが、ポールスターによるとこのモデルはあくまで『コンセプトBST』だと説明しています。
ちなみに「BST」とは、以前『ポールスター2』の限定車として登場したハイパフォーマンスモデルの名称であり、「野獣(BEAST)」の意味を持つ高性能モデルであることを表しています。
ポールスターのトーマス・インゲンラートCEOは、「ポールスターのパフォーマンスブランドをどこまで押し上げられるか、また将来的にBSTシリーズをどのようなラインナップにするかを示すデモンストレーションでもあります。」と、このコンセプトモデルの存在意義についてコメントしています。
エクステリアを『ポールスター6』と比較すると、ルーフ後端から生えている2枚構造のリアウイングやボンネットフードのエアアウトレット、大きくふくよかな前後フェンダーなど、高いパフォーマンスを予感させるデザインが数多く取り入れられています。
ポールスターといえばイメージカラーでシアンを思い浮かべる人も多いですが、このイメージカラーは親会社である吉利汽車のレーシングチーム「シアン・レーシング」が引き継いでいるため、新生ポールスターではイエローをイメージカラーとして採用しています。『コンセプトBST』ではシンプルなシルバーのボディカラーに、エアアウトレットやシートベルト、リアウイングやブレーキキャリパーなどにイエローをアクセントカラーとして採用しています。ただし、今回はパワートレーンなどの詳しい情報は公開されていないため、続報に期待です!