◆トヨタ、bZシリーズの新たなフラッグシップ「bZ7」を世界初公開
トヨタ自動車は2025年4月23日、上海モーターショー2025において、中国市場向けの新型バッテリー電気自動車(BEV)セダン「bZ7」を世界初公開しました。このモデルは、カーボンニュートラル社会の実現に向けた重要な一歩である、トヨタの電動化戦略「マルチパスウェイ」の一環として、中国という世界有数の電動車市場でBEVラインアップのフラッグシップモデルとなることを目指しています。
◆中国市場に最適化されたフラッグシップBEV「bZ7」


『bZ7』は、トヨタと広州汽車集団有限公司(GAC)、広汽トヨタ自動車有限会社(GTMC)、およびトヨタ知能電動車研究開発センター(中国)有限会社(IEM by TOYOTA)が共同で開発した現地開発モデルです。全長5メートルを超える堂々としたセダンタイプのボディを持ち、中国市場におけるBEVラインアップの新たなフラッグシップモデルとしての役割を担います。
この共同開発においては、トヨタが長年培ってきた安全・安心を最優先とする高品質なモノづくりと、中国が持つ最先端の知能化技術が融合されています。これにより、『bZ7』は単なる電動車に留まらず、最新の知能化技術を搭載することで、より安全で快適な移動体験を提供することが期待されます。
◆洗練されたデザインと先進技術の融合
bZ7は、クーペのような流麗なシルエットと、フロントおよびリアに統合されたLEDライトバーを特徴とする先進的なデザインを採用しています。また、ドアハンドルをボディに収納するフラッシュドアハンドルや、電子式ドアミラーなど、空力性能と美しさを両立させたデザインが施されています。
インテリアには、HuaweiのHarmonyOSをベースとしたインフォテインメントシステムを搭載し、直感的な操作性と高い接続性を実現しています。さらに、運転支援や先進安全技術など、最新の知能化技術を搭載することで、より安全で快適な移動体験を提供することが期待されます。
◆BYDとの協業による高性能パワートレイン


トヨタと中国の電動車大手であるBYDとの協業により、BYD製の「ブレードバッテリー」と高性能な電動モーターを搭載する予定です。これにより、高い航続距離と優れた走行性能を実現し、中国市場における競争力を高めています。
◆中国市場のニーズに応える「マルチパスウェイ」戦略




中国市場は、新車販売におけるBEVの比率が非常に高く、世界の電動化を牽引する最先端市場です。トヨタは、このような市場の特性を踏まえ、BEV、PHEV、HEV、FCEVといった多様な電動車の選択肢を用意する「マルチパスウェイ」戦略を中国市場においても積極的に展開しています。
「bZ7」の発表は、この戦略をさらに具体化するものであり、既存のBEVラインアップである「bZ4X」「bZ3」「bZ3X」「bZ5」に新たな選択肢を加えることで、より幅広い顧客ニーズに対応することを目指しています。
トヨタは「bZ7」の1年以内の市場投入を目指し、引き続き開発を進めていくとしています。
中国市場における電動化競争が激化する中、トヨタがどのような戦略でシェア拡大を図るのか、今後の動向が注目されます。