イタリアのカロッツェリアであるザガートは2月21日、拠点を構えるイタリアのミラノにて「AGTZ ツインテール」を世界初公開しました。
ザガートは1919年、イタリアのミラノに設立されたカロッツェリアと呼ばれる事業を行う会社。カロッツェリアとは、自動車のカスタムやデザインなどを手掛けるイタリアのクラフトマンシップを象徴するような工房で、英語圏ではコーチビルダーがこれに該当します。ザガートは、航空機の機体開発から得た軽量設計ノウハウを生かし、過去にはアルファロメオやアストンマーティン、マセラティ、日産などともコラボレーションしています。
1台で2度おいしいボディー形状
今回発表された「AGTZ ツインテール」は、ポーランドのスーパーカーディーラー「La Squadra」とザガートの提携により、開発されたモデルです。
このモデルは、1968~1969年にル・マン24時間耐久レースに参戦したアルピーヌの「A220」をオマージュしています。ル・マンでの勝利という目標を達成することはできなかった「A220」はその後、特徴的であったロングテールを切り落とし、300mm短いショートテールデザインに変更されました。そして、そのショート化されたマシンで、スプリントレースやラリーなどにフィールドを変更して参戦し、勝利を納めています。
ザガートを率いるアンドレア・ザガート氏は、AGTZ ツインテールのプロジェクトを立ち上げた理由について「急激な電動化など、自動車の世界に新たな時代が訪れると、人々は過去の壮大な時代を思い起こしたくなるものです。歴史上のアイコニックな名車のストーリーは、これからも語り継がなければなりません。新しい世代に自分たちの物語を創り出す意欲を与えるには、これは極めて重要な課題です。過去を知らずして、未来を創造することはできないのです」と説明しています。
今回の「AGTZ ツインテール」は、アルピーヌの「A110」がベースとなっています。大胆で流麗なデザインは、取り外し可能なリアボディによって、ロングテールとショートテールを切り替えることが可能となっています。この機構によって「AGTZ ツインテール」は、ロングテールとショートテールボディを持つ、「A220」のストーリーを継承しています。
価格は税抜きで65万ユーロ、日本円で約1億600万円ほどとなっています。世界限定19台となっていますが、発表時点ですでに全車ソールドアウトしてしまったとのことです。
実際の販売やアフターサービスについては、今回ザガートとコラボレーションしているポーランドのスーパーカーディーラー「La Squadra」が担当するとしています。
ザガートは、2024年2月23~24日にスイスのサンモリッツで開催される「I.C.E.サンモリッツ」には、オリジナルの「A220」のロングテールとショートテールの展示を予定しています。
また、「AGTZ ツインテール」は、2024年10月からのデリバリーに先立って、2024年5月にコモ湖畔で開催されるコンコルソデレガンツァ ヴィラ デステにて一般公開も行われる予定となっています。