「For the Few」ひと握りの人のために作られたモデル
フェラーリは5月3日、『12Cilindri』とそのオープンバージョンである『12Cilindri Spider』をアメリカのマイアミにて発表しました。
車名はイタリア語では“ドーディチ チリンドリ”と発音します。また「Cilindri」を英語に直すとシリンダー、つまり日本語で12気筒という意味のモデル名であり、フェラーリV12の集大成モデルとも取れるネーミングとなっています。
電動化もターボ化もされていない純粋なV12エンジンの排気量は6.5リッターで、最高出力は830PS。最大トルクは678Nmを発揮します。0~100km/h加速は2.9秒で、最高速度は340km/h以上とされています。
シャシー面では『812コンペティツィオーネ』の後継モデルとして、剛性アップや軽量化に加え、20mmも短くなったホイールベースや各種電子制御技術のブラッシュアップ、リアを左右独立でコントロールする4WS、V12モデル初となるブレーキバイワイヤの採用など、その進化は多岐におよんでいます。
エクステリアでは、往年の名車『365GTB4デイトナ』を彷彿とさせるデザインを採用。ブラックアウトされたフロントのライト周りやシルエットにその面影を残しています。また「デルタウイングシェイプ」と呼ばれる新たなルーフデザインを採用するなど、新しいフェラーリデザインをふんだんに盛り込んだ外装となっています。
インテリアは、運転席と助手席ともに左右対称なコクーンスタイルを採用。マテリアルには、リサイクルポリエステルを65%含むアルカンターラをはじめ、サスティナブルな素材が多く使われています。
ベルリネッタのデリバリーは2024年末、スパイダーは2025年春から始まる予定で、イタリアでの車両本体価格は39万5000ユーロ。日本円にして約6650万円からとなっています。