【個性】時経つごとに味が出る、今こそ乗りたい珍名車4選

何を持ってしても、進化の過程には誰しも想定していない「突然変異体」というものが生まれることがあります。必ず存在しているでしょう。

自動車の歴史は1769年に遡り、日本はまだ江戸時代だった頃に、ヨーロッパで生まれたとされています。255年もの歴史のある自動車という工業が日々進化していく過程で、数えきれない数のクルマが世に出てきました。

特に直近30年の進化は目まぐるしく、”ポジティブな意味での”突然変異体が生まれることもしばし。今回は進化の裏で生まれた「珍名車」をピックアップしてご紹介します。

珍車と思うか名車と思うかはあなた次第。読者の皆さまが思う「珍名車」もぜひ教えてください。

トヨタ 初代エスティマ

“新型高級サルーン”をコンセプトに「ミニバンの使いやすさ」「走る楽しさ」を融合、開発されたエスティマは、1990年に発売されました。そんなエスティマは、この初代が世に出てからというもの、2019年までモデルチェンジを繰り返し、約30年もの間ユーザーに愛される車種となったお話しは、また別の機会に…。

初代エスティマのグッとくるポイントは、そのデザインにあります。タマゴのように丸く、まるで宇宙船のような未来を感じさせるデザインが特徴的です。1998年に行われたマイナーチェンジ後からは、トヨタ自ら『TOYOTAの天才タマゴ』というキャッチコピーで販売されていました。

デザイン以外でも1つ「初代エスティマといえば」という最大の特徴があるのですが、皆さん分かりますか?

それは「ミッドシップ」であること。

そうなんです、エンジンが諸外国のスーパーカーと同じミッドシップにレイアウトされているのです。

正確には、「アンダーフロア型ミッドシップ」と呼ばれ、2.4Lエンジン75度傾けられた状態で搭載されたいました。この、アンダーフロア型ミッドシップは、エンジンという重量物を、車体の中心に置くことで
車にとって最適な前後重量バランスを実現しています。

また、同時にフロアのフラット化による運転席から後部座席までの「ウォークスルー」を採用。フロア高低く抑えることで、高い乗降性実現し、スタイリング・ハンドリング・実用性の3つが融合している、まさにコンセプト通りの『「使いやすさ」と「走りの融合」』実現したと言えるでしょう。

BMW Z1

突然ですが、あなたは「クルマのドアを開けて走ってみたい!」と思ったことはありますか?

…私はないです(笑)

この写真のクルマ、「BMW・Z1」は、一見”ヘッドライトが特徴的なオープンカー”という印象を受ける人が多いでしょう。

でもこの下の写真を見ると、その印象は全て持って行かれてしまいます。

……

ドア、開けてみました!

そうなんです、ドアが開いたまま走行しているんです。実際にメーカーから販売されたクルマの中で、ドアが「下に開く」というクルマは世界でこの車種だけなのではないでしょうか。

ドアを開いたまま走行するのはどうなの?と思われるでしょう。実はZ1、通常時の状態での衝突安全性に加えて、ドアが下がっている状態でもその安全性は担保されており、合法的に・安全に走行することが可能ということ。今この文章を書いている時にも、ドアが開いている…?あ、開いているじゃないか下がっているか…と頭が混乱していたことは内緒です。一つ豆知識ではありますが、ことアメリカでは「ドアが開いている(=下がっている」状態での走行」は違法だったようです。

新車価格は、当時のレートで89,000ドイツマルク(約570万円)。現在このクルマを日本で購入しようとすると、在庫は2台・約1000万円(カーセンサー調べ)となっています。

フィアット・ムルティプラ

たびたび登場します、我々CarBoonの記事ではもはやレギュラーと言っても過言ではないこのクルマ。今回も堂々の登場です。

「世界一気持ち悪い」「醜い」など、デザインに関しての酷評が目立つムルティプラ。しかしながら、現在でもマニアックなファンもかなり多い”人気車”としての側面も持っています。

現代のデザインではない、なんとも言い難いその独特な雰囲気のデザインは「ダサかわいい」「きもかっこいい」という言葉が適切なのか…このクルマのデザインを語るには、日本語での表現では少し至らないかもしれません。

でも、CarBoonに何度も登場するというのは、デザインだけがキャッチーだからではないんですよ!

注目してほしいのは、ムルティプラの“綿密なパッケージング”です。このクルマについて詳しく語っている記事は以下のリンクから。ぜひご覧ください。

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ルノー・アヴァンタイム

全長×全幅×全高が、4660mm×1835mm×1630mmと、ミニバンサイズなのにもかかわらず、その側面に見えているドアは2枚…。このサイズ感からは中々言いづらいのですが『クーペモデル』です。クーペ。

1993年のジュネーブ・モーターショーにてコンセプトモデルが発表され、本国フランスでは2001年に発売。日本では1年遅れの2002年に発売されました。新車価格は500万円と、当時の「Fセグメントセダン」に近い金額でした。

Fセグメントとは具体的に、概ね全長が5000mmに値するクルマが一般的とされていて、この場合の例を挙げると、BMWだったら7・8シリーズ、メルセデスだとSクラス、国産車でいうとレクサスのLSなど、高級セダンと同じ価格帯のクルマということです。なんならその当時だったら、もう少し追加するとセルシオも購入できたのでは…。新車で購入された方は、中々の変態さん(敬意を払って、全力で肯定しています)だと思います。

内装は革張りのおしゃれ内装、目がいくそのシートは、一脚50万円はくだらないとメーカーも言っていたとのこと。日本ではそのサイズ感からミニバンとしてのポジションにおさまりますが、そんなミニバンをあえての「ショーファードリブン」、ないし「パーソナルカー」としてブランディングしたクルマは、そのデザインからしてもかなり時代を先取りしていたのではないでしょうか。

私が家庭を持ち、子供を授かり、家族のクルマとしてクルマを必要とする時には、アヴァンタイムに乗ってみたいものです…。そんな状況だと、子育ても維持も大変であろう…。

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