【完全保存版】歴代スイフトスポーツ解説|全4世代の歴史から型式別スペック・装備・走行性能を一挙に比較!

こんにちは、Canalです。

皆さんは「国産ホットハッチ」と聞いて、おそらく一番に思い浮かべるであろう車はこの車ではないでしょうか?そうです、“スイフトスポーツ”です。その中身は、ノーマルモデルより少しパワーのあるエンジンを搭載し、軽量ボディを武器に1クラス上のスポーツカーたちを猛追するという、超古典的ホットハッチ。比較的低価格なこともあり、車好きの若者から絶大な支持を得ています。そんなスイフトスポーツを紹介いたします。

◆初代スイフトスポーツ HT81S(2003年登場)|JWRC直系の3ドア軽量ホットハッチの魅力とは?

初代スイスポは2003年6月に販売されました。ベースとなったスイフト(欧州名イグニス)が、2002年から参戦したJWRC(ジュニア世界ラリー選手権)の技術とイメージを踏襲させたモデルが初代スイスポです。フロントに搭載されている 直列4気筒 DOHC 1500cc 16バルブエンジン は通常モデルのスイフトに搭載されている1300ccのエンジン比で27ps増の115psを発揮します。アルミ鍛造ピストン圧縮比アップ樹脂製インテークマニホールドといった専用チューニングがされていました。

CarBoon読者様の初代スイスポ

また、通常のスイフトには存在しなかった3ドアボディクロスレシオの5MT専用サスペンション4輪ディスクブレーキレカロ社製バケットシートなどの専用装備も充実していたにも関わらず、とてもリーズナブルだったのが初代スイフトスポーツ。その新車価格は119万円という低価格でした。

JWRC(ジュニア世界ラリー選手権)に関しては、軽量ボディを武器に活躍し、スイフトスポーツのイメージカラーのチャンピオンイエローから「イエローブリッド(黄色い弾丸)」という異名を名付けられました。2002年の初参戦から入賞し、JWRC参戦3年目の2004年にはスズキ初の『JWRCドライバーズチャンピオン』が誕生しました。

◆2代目スイフトスポーツ ZC31S(2005年)|世界基準の走行性能とAT追加で人気爆発

2004年に発売された通常モデルのスイフトから1年遅れて、2005年に2代目スイフトスポーツは発売されました。ベースとなったスイフトの先代モデルが、軽自動車の拡大版といった成り立ちだったのに対し、2代目はヨーロッパで徹底的にテストされ、世界で販売するグローバルカーに大きく変貌を遂げたため、そもそもの走りの土台がグレードアップされました。

2代目スイスポは「リアルスポーツコンパクト」というコンセプトで開発され、先代より排気量の大きく、115psから125psにパワーが増した1600ccのエンジンは、先代でも施されていたアルミ鍛造ピストンや圧縮比アップといったチューニングに加え、ピストンの裏側にオイルを吹き付けて燃焼温度を温度を下げるピストンクーリングジェット水冷式オイルクーラーなどの専用チューニングがされていました。

CarBoon読者様の2代目スイスポ

足回りも、バネレートやロール剛性の向上といったセッティングが施されました。外装のエアロパーツは空力を意識したもので、特にフロントバンパーにベースのスイフトとの違いが大きく見ることができます。全体的により走りを追究したモデルに進化したのが2代目スイフトスポーツでした。また先代にはなかったAT車もラインナップされ、ユーザー層の拡大にも成功しました。

そして先代同様、JWRCでも活躍。先代からの大きなアドバンテージはリヤサスペンションが独立懸架になったことです。このため、サスペンションをより細かくセッティングすることができるようになりました。2005年からスイフトスーパー1600という名称で参戦を開始し、先代モデルで培ってきた技術やノウハウを巧みに使い、好成績を残しました。

◆3代目スイフトスポーツ ZC32S(2011年)|6速MT搭載で”より”走りが進化したスポーツフラッグシップ

「The sporty flagship」をコンセプトに開発され、先代モデルからの正常進化を遂げたモデルが3代目スイフトスポーツです。エンジンは先代と同じM16A型ですが、可変吸気システムやバルブリフト量増加を含む、吸気VVT制御の最適化などの専用チューニングが施され、先代よりも11psパワーアップした136ps(100kW)を発揮しました。

また、トランスミッションも大きく進化し、先代では5速MTと4速ATだったラインナップがそれぞれ6速MTCVTになりました。海外向けキザシに搭載されていた6速MTをベースに、スイフトスポーツではクロスレシオ化と軽量コンパクト化を行い、加速性能と燃費性能の向上が図られました。CVT車では7速マニュアルモードが備わり、ステアリング裏にはパドルシフトも装備されていました。

CarBoon読者様の3代目スイスポ

外観では大型化されたフロントグリル前後バンパーサイドスカートリヤスポイラーなどで差別化が行われ、ホイールは17インチにインチアップされました。ベースのスイフトと比べるとスポーティで攻撃的な雰囲気が演出されていました。

クルーズコントロールやキーレスエントリー、イモビライザー、USB入力端子、ESPといった装備も充実し、より多くの人が買い求めやすくなりました。

◆4代目スイフトスポーツ ZC33S(2017年〜)|1400ccターボ×970kgの最軽量ボディが生んだ現代ホットハッチの真骨頂!

歴代のスイフトスポーツは自然吸気エンジンを搭載してきましたが、4代目となる現行モデルではそのコンセプトがガラッと変わり、1400cc直噴ターボエンジンが搭載される今風ホットハッチに変化しました。

しかし、現行スイスポの一番の魅力はターボエンジンによるパワーアップではなく、大幅に軽量化された車体ではないでしょうか。HEARTECT という軽量高剛性なプラットフォームを用いることで、先代比でなんと70kgの軽量化に成功したのです。その車重はMT車で970kg、6AT車で990kgと、1tを切る軽量ボディを実現しました。

CarBoon読者様の4代目スイスポ

ボディサイズが3ナンバーに拡大され、先進安全装備も搭載されたのにも関わらず、この車重、凄いです。

ちなみに欧州ではマイルドハイブリッドでISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)が搭載された『スイフトスポーツ ハイブリッド』というモデルも発売されています。時代の流れに合わせてスイスポも進化しているのです。

◆まとめ|スイフトスポーツは誰もが楽しめる本格ホットハッチの到達点

初代HT81Sから現行ZC33Sまで、スイフトスポーツは日本が誇る本格派ホットハッチとして、常に走りとコストパフォーマンスを両立しながら進化を遂げてきました。

軽量ボディに専用チューンのエンジン、クロスレシオのMT、そして高いハンドリング性能といった“走り好き”の心をくすぐる要素を代々継承しながら、時代の要請に応じてCVTや安全装備、マイルドハイブリッド化なども柔軟に取り入れてきたのがスイスポの強みです。

現行型のZC33Sでは、ダウンサイジングターボ+大幅な軽量化を実現し、パワーと燃費、取り回しのバランスがかつてないレベルに到達。欧州仕様では48Vマイルドハイブリッドモデルも登場するなど、グローバルモデルとしても評価されています。

そして2025年には、いよいよフルモデルチェンジ版となる「新型スイフトスポーツ」の登場が噂されています。プラットフォームやパワートレインのさらなる刷新、電動化の進展も期待されており、今後も“日本最後のピュアホットハッチ”として注目を集める存在であることは間違いありません。

スイスポは、ただの「コンパクトカー」ではなく、ドライビングの楽しさを気軽に味わえる“リアル・ドライバーズカー”。ぜひ一度、ハンドルを握ってその魅力を体感してみてください!

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Editor

今日もトゥインゴゴルディーニR.S.に乗る大学生。欲しいクルマが多すぎて困っています。