ル・マンの会場で発表された5シーターアルピーヌ
フランスのスポーツカーメーカーであるアルピーヌは6月13日、コンパクト5ドアハッチバックのスポーツEV、『A290』を欧州で発表しました。ルノー『R5』のアルピーヌ版となり、ブランド初のBEVモデルとなります。
デザインのインスピレーションは、アルピーヌの最初の市販モデルである『A106』、1980年代の人気モデル『R5アルピーヌ』、そして現代の『A110』から得られています。新しいライトシグネチャーである4灯の“X”は、ラリー車両に貼られるテープから着想を得たもので、アルピーヌのブランドイメージを象徴するモチーフとして、フロントのアンダーグリルにはスノーフレークのデザインも施されています。
『A290』は「AmpR Smallプラットフォーム」を採用。このプラットフォームはフロントアクスルの重量を軽減し、低い重心を実現することで剛性を向上させ、室内空間を広げています。また、スケートボード型のアーキテクチャと小型モーターにより、前部をコンパクトにし、バランスの取れた設計になっています。
「AmpR Smallプラットフォーム」をベースに、モーターの変更や専用サスペンション、ブレーキ、タイヤ、トルク管理システムなど、アルピーヌのエンジニアがチューニングを施しました。その結果、「GTパフォーマンス」と「GTS」モデルは最大出力220hp、最大トルク300Nmを達成しました。車両重量は1479kgで、0-100km/h加速は6.4秒というクラス最高のパフォーマンスを実現しています。
スロットルレスポンスは、電動モーターの高出力とトルクにも関わらず、アクセル操作が直感的にしやように調整されています。ドライビングモードによってレスポンスが変化し、運転の楽しさとパフォーマンスが向上するとしています。
『A290』のエンジニアはアルピーヌならではのトルクテクノロジーを開発し、最適なトルクを微調整してトラクションを最大限に引き出す制御にセッティング。もしバッテリー容量が減少しても、パワーロスを防ぎながら高性能を維持することができると説明しています。
『A290』には、セーブ、ノーマル、スポーツ、パーソナルの4つのアルピーヌドライビングモードがあり、ステアリングホイールのボタンで簡単に切り替えることができます。ステアリングホイールの赤いボタンを押すと、オーバーテイク機能が作動し、最大10秒間追加のブーストパワーを発揮します。実用性の面では、街中でも扱いやすい全長3990mmというサイズに対して、トランク容量は326リットルを確保しています。