こんにちは、セイタローです。
突然ですが、皆さんが知っているモータースポーツはいくつありますか?F1やWRC、日本だとSUPERGTやスーパー耐久、D1グランプリは日本発祥のモータースポーツとして世界でも人気が高いカテゴリになっています。
いくつも挙げてきましたが、どれもこれも世界・日本でもトップレベルのドライバーな上、その中でも一握りのドライバーしか舞台に立つことができないもの。そんな中で、まだ上がっていない「日本独自の発展」を遂げているカテゴリはご存知でしょうか?
その名は、ジムカーナです。
一度は聞いたことがあるかもしれないジムカーナ。舗装路に事前に設定されたコースを、マシンがアタックし、そのタイムを競う競技です。国内においては歴史も古く、発祥は諸説ありますが、日本で独自の発展を遂げているモータースポーツとして、1960年代から多く開催されてきました。開催回数でいえば、国内のモータースポーツでずば抜けて多い、年間400戦以上のJAF公認ジムカーナ競技会が開催されています。
ジムカーナに必要なスキルは、クルマの運転に関連する全ての走行技術。開催されるコースは、一般的な”サーキットスピード”を必要とするコースもありますが、基本的には走行の平均スピードが低く、その分コーナリングやブレーキングが重要です。さらに、ジムカーナといえばよく見る『サイドターン』など、凄くシビアに方向転換をしなければいけないコーナーや、そこそこ速度がでている状態からのコーナリング、ハイスピードからのハードブレーキングなど、「サーキットを周回するレース」と比べても、全ての要素においてより正確なドライビングが求められます。
…と書くと、凄く敷居の高いモータースポーツに感じますよね!?実はジムカーナ、どのモータースポーツよりも敷居が低く、モータースポーツ初心者・運転初心者から、国内トップカテゴリに参戦しているプロのレーシングドライバーまで、多くのドライバーを魅了してきた「入門カテゴリの代名詞」なんです!!
先ほどジムカーナは「クルマの運転に関連する全ての走行技術」が必要と書きました。それは、モータースポーツだけに通じるものではなく、一般道や街中を走行するためにも必要で応用できる技術が満載なんです、知らなかったでしょう。
そんな【モータースポーツ×クルマを安全に走らせる技術】を気軽に体験できる場として、世界最大級のタイヤメーカーであり、日本が世界に誇る企業『ブリヂストン』が開催しているイベントが…
PCC(ポテンザ・サーキット・チャレンジ)!!
ポテンザ サーキット チャレンジのコンセプトは、「モータースポーツへの第一歩を皆さんに提供すること」。入門的なモータースポーツイベントでいうと、走行会やタイムアタックイベントなどさまざまなものがありますが、“モータースポーツに興味のない方”や“サーキットに対してハードルを感じている方”にとっては、どれも敷居が高く感じられてしまう現状がありました。
サーキット走行でいえば「他の(速い)クルマと一緒に走ること」に躊躇してしまったり、なんせ走行にかかる諸経費がかかってくる“金銭的なハードル”もネックとなってきます。前述のジムカーナでは、サーキット走行に比べてもコストはかからないものの、初走行でレベルの高い競技会に参加した際に、その専門性の高さから、モータースポーツの楽しさや面白さを感じる間もなくなってしまうことも暫し…。どちらを取っても、一般的な視点で見ると「一歩が踏み出しにくい」というのがリアルな声。
そこで、ブリヂストンは、ジムカーナとサーキット走行の“いいとこ取り”ができる、気軽にクルマを楽しめるイベントを提案。全国各地のミニサーキットやジムカーナコースを舞台に、プロのレーシングドライバーが、レーシングスピードを体験できつつ、純粋な“クルマのドライビング”を楽しんでもらえるコースをイベントの為にセッティング。
参加車種に関しても、軽自動車からスポーツカーまで「ナンバーのついているクルマであれば」どんなクルマでも参加可能!AT限定のクルマや免許でも、老若男女幅広い層に楽しんでもらえるイベントとして開催されています。
そんなイベントに、CarBoon編集部…
……
行ってきちゃいました!!
今年の8月20日に、富士スピードウェイにて開催されました、第2回目のPCCに参加させていただくことになりました!!メガーヌでサーキット走行は何度かあるのですが、ジムカーナ形式のコースで走るのは初めての初心者!クルマこそ”それっぽい”クルマなのですが、完全にビギナーの視点でイベントレポートとしてお伝えしていこうと思います!
実際にイベントに参加してきたよ!
時間は朝6時。サーキットの朝は早いというのは定説なのですが、朝が弱すぎる代表セイタローにとっては、毎回遅刻との戦いです。大体遅刻しないように、夜のうちに自宅を出てサーキットの近くで仮眠を取ります。今回もそれに近いパターンだったのですが、案の定遅刻しそうになってギリギリで友達にモーニングコールをしてもらいました。
そんなこんなで、集合場所の富士スピードウェイのジムカーナ場に。
総勢44台!軽自動車から競技車両まで色とりどりのラインナップが…スポーツカーが多いっちゃ多いですが、過去のPCCを見ても、ここまで幅広い車種が集まるイベントは多くないのではないのでは?
また、参加している方々もさまざまで、お子さん連れで(なんとベビーカーも!)参加されている方や、競技さながらの持ち物の方など、参加ハードルの低さがうかがい知れました。この写真でどんなクルマが参加しているか、目を凝らして見てみてください。面白いかも知れません!(笑)
実はその14時間前に…
僕たち参加者の入場は6時頃だったのですが、さかのぼることその14時間前…前日から準備は始まっていました。PCCは“ショートサーキット”や今回のような“ジムカーナコース”を舞台としていて、本来使われているコースとは違う走路で使用されます。そのため、コースを一から考える必要が…!前日の夜まで練りに練ったルートを、当日の朝にも調整し、ビギナーから上級者まで楽しめるコースを仕立てたということ。
コーナーの角度や曲がる速度など、危なくない上にめちゃくちゃ楽しいコースを走行できるというだけでも、モタスポファンの僕からしたら感激ものです(笑)
好きな人からしたら嬉しい、あまり詳しくない方からしても「安全に楽しめる」という面で見ると、凄く安心できるのでは?
講師の先生はジムカーナ現役トップドライバーのお2人
今回のPCCを手がけていただく講師のドライバーさんは…ジムカーナのチャンピオン経験者と今年度のチャンピオン!!河本晃一 選手と ユウ 選手です。
【ユウ選手(写真右) プロフィール】
1984年、千葉県生まれ。全日本ジムカーナ選手権 2023 PN3クラスに参戦中。2017年と2018年、さらに2021年と2023年に各クラスともにシリーズチャンピオンを獲得。2023年シーズンも、シリーズ終了を待つことなく、今年度のチャンピオンを獲得した。
【河本 晃一選手(写真左) プロフィール】
1971年、神奈川県出身。全日本ジムカーナ選手権 2023 PN3クラスに参戦中。2011年と2012年にシリーズチャンピオンを獲得。「AT車でも気軽にモータースポーツに参加できる」ということを知ってもらいたく、ATのスバル・BRZで戦う。
ジムカーナドライバーのお2人に加えて、レーシングドライバーでGR86の開発メンバーでもある佐々木雅弘選手、さらにSUPERGTをはじめとし、86/BRZレースなどでも大活躍の井口卓人選手の4名が講師となり、皆さんに「速く走るだけではない」ドライビングテクニックを講義しています。
実は、私たち参加者が走行する前に、デモ走行として初めて“ジムカーナドライバー”の走りを目の当たりにしたのですが…
速すぎる!!今まで見たことのない次元でクルマが動いている!!
と感動しました…。何度も書いていますが、ジムカーナは総合的なドライビングテクニックを要すカテゴリ。クルマの特性や動きを完全に理解し、きちんと自分の操作範疇に収めて前に進めて行く凄さの“究極系”を見せていただいた気がします。
これは、実際に現地でジムカーナを見てみたい…という気持ちになりました。ジムカーナを知る、触れるきっかけとしても凄くいいかも。
編集長の走行はいかに…?
ということで、今回は取材ではなく参加者としてPCCを楽しんでいるセイタローなのですが、当日の流れとしては、『完熟歩行→練習走行1本目→練習走行2本目→本番1本目→本番2本目』の合計4本を走行でき、本番のタイムが速いと賞典がある、なんともやりがいのある構成。だって、練習と本番が2本しかなくて、その内にコースを覚えてタイムを出さないといけないんでしょ!!
この構成、実際に開催されている全日本ジムカーナも同じような流れなんです!
その中でも、レースが好きなモータースポーツ好きの方には聞きなれない「完熟歩行」というのがあります。名を変えると、レース前の「コースウォーク」です。
実際に競技のジムカーナとなると、本番のコースレイアウトが公示されるのは当日の朝。公示後に大体30分間のコースウォークの時間が設けられています。その時に選手は、実際に走るコースを歩きながら自分が走るラインをイメージしながら、頭の中に落とし込んでいきます。
PCCでも、実際に走る前にドライバーのお2人に教わりながら、コースの完熟歩行を行いました!
実際に歩いてみると、走るコースが頭に刷り込まれていって、凄くわかりやすい!ジムカーナって、コースを覚えることが僕にとって1番のネックだったんです。全然覚えられない…。ただ、こうやってプロの方のコメントをいただきながら歩けると、各ポイントが凄くイメージしやすくて、コースを覚えないといけない不安はなくなりました。
これも、速く走るためだけではなく、安全にコースを走る・コースのどこに自分がいるかをイメージするのに必要なんです。一般道でも”実際に自分がどこを走っているか”をイメージしながら走ることは凄く重要で「パイロンとの距離や自分の走っている位置を把握する=周りのクルマとの距離感を図る」ことにも通じていると、僕は思います(個人の意見なので間違っていたらごめんなさい…!)
完熟歩行を終え、練習の1本目と2本目を気合入れて走ったのですが、
尋常じゃないミスコースを連発して、練習の2本とも失格でした…
写真はすっごくカッコよくいい感じに走れていますよね…でもこれミスコースで失格しているんです…(泣)
ぶっつけとなってしまった本番では、なんとかコースを覚えて挑んだのですが、結果はいかに。
3位!!やったー!!
順位はあまり気にしていなかったのですが、3番手のタイムだったようです。日常生活の中で普段こうやって順位がついて褒められることがないので、シンプルに嬉しい。また、こうやって順位がつくと「もっと速く走ってみたいな…」という野望が沸々と湧き出てきます…(笑)
ちなみに、順位を決めるシステムは独自のもので、どんなクルマ・初心者上級者関係なく、参加する皆さんが平等に表彰台に乗れるチャンスがあるというのが、PCCのいいところ。
車種やタイヤの銘柄についてのタイムハンデだけではなく、実際に競技に参加している人などにもハンデを追加しているので、皆さんが同じレベル間で競うことができるのが、イベントとして一体感も生まれ、楽しく参加できるポイントの一つ。
ちなみに、そのハンデが気になる方は、以下のURLに参加規約が載っているのでチェック!!
https://miyaji-company.com/potenza-circuit-challenge/rule/
ジムカーナやレースをやったことがない方なども、実際に参加してみることで、僕と同じような気持ちになる方は絶対多いはず!モータースポーツを楽しむ、知るきっかけとしては、やはり凄くいいイベントなのではないでしょうか!
PCCでは同乗走行も!!運転してもらうのもあり、運転を間近で見てもらうのもあり
このイベントでは、練習走行のうち、「自分で走行する」か「プロドライバーの講師の皆さんに運転してもらうか」を選択することができます。自分で走ることも凄く楽しいのですが、普段運転している自分のクルマをプロのドライバーに運転してもらう機会があるなら体験するしかない!ということで、
僕のメガーヌを運転していただきました!
贅沢ながら、ユウ選手と河本選手のお2人に運転していただき、その横でドライビングを見ていたのですが、やっぱり次元が違う。プロってすごい。
今まで僕が運転していたクルマの動きとは全く違う動きをしている…!そして、当たり前のように、オーナーのタイムをサラッと塗り替えられてしまいました…(笑)
当日初めて乗るクルマで、事前のヒアリングもなく、ポンと乗ってクルマのポテンシャルを最大限に生かす走りをするプロ…この経験をするだけでも、PCCに参加する意味はあるのではないかというくらいに感動した体験でした。
そして、先日CarBoon公式X(旧Twitter)で投稿した以下のツイート。
乗っていただいた選手の感想やメガーヌについての記事は、後日アップ予定ですのでお見逃しなく!
総評:さまざまなクルマで気軽に楽しめるPCC、参加するしかない!
「レースはちょっと敷居が高いな…」という方や「スポーツカーのような走るクルマじゃないから楽しめないかな…」と思う方にはピッタリな、安全に楽しくクルマを楽しめる今までにないイベントが、このPCC(ポテンザ・サーキット・チャレンジ)なのです。参加費や今後の開催予定については、以下のURLからご覧いただけますので、気になった方は是非ご覧ください!
次回も参加したいと(勝手に)思っているので、読者の方でいらっしゃる方は一緒に楽しみましょう!
【関連リンク】
ブリヂストン モータースポーツ 公式ウェブサイト:https://ms.bridgestone.co.jp
ブリヂストンモータースポーツ 4輪 公式X(旧Twitter):https://twitter.com/BSMS_4
PCC(ポテンザ・サーキット・チャレンジ)開催元 公式ウェブサイト:https://miyaji-company.com/potenza-circuit-challenge/
ユウ選手 公式X(旧Twitter):https://twitter.com/yuumfactory
河本晃一選手 公式X(旧Twitter):https://twitter.com/charley_kawa
(企画・執筆・編集)セイタロー
(素材撮影)リュウヤ