こんにちは、Canalです。
クルマ好きなら【いつか絶対乗ってみたい憧れのクルマ】というものが存在するのではないでしょうか?
私にもそんなクルマが沢山あるわけですが、この度そのうちの1台を試乗させていただく機会がありました。
そのクルマとは…
プジョーの”コンパクトスポーツカー”である「RCZ」です。
RCZってどんなクルマ?
まず、RCZがどんなクルマなのかという解説から始めていきます。
RCZが初めてお披露目されたのは今から16年前の2007年のこと。フランクフルトモーターショーで「308 RCZ」という名称でコンセプトカーが発表されたのです。この308 RCZという車、見てもらえればわかると思いますが、そのデザインは実際に販売されたRCZと瓜二つ。
そして、その2年後である2009年。その年のフランクフルトモーターショーで、308の名前が消えた市販モデルのRCZが発表され、翌年2010年4月に販売が開始されました。
実は「プジョーで初めて数字を車名に使用しなかったモデル」がRCZです。また、RCZはプジョーの工場ではなく、オーストリアのマグナシュタイアで製造されていました。皆さん知っていましたか?GRスープラやメルセデスベンツGクラスなどを製造している工場です。
RCZが発売された2010年は、アウディ・TTやフォルクスワーゲン・シロッコ、アルファGTなど、欧州を中心にCセグメントハッチバックをベースにしたクーペが流行した時代。流行したことを言い換えると、ライバルが多く存在していた時代。そんな時代にプジョーが発売したクーペがRCZです。
では、RCZの特徴はどこにあるのでしょうか?
それはズバリ「唯一無二の美しいなデザイン」ではないでしょうか。ルーフからリヤガラスにかけて滑らかに湾曲したダブルバブルルーフ。その縁をAピラーからCピラーまで一本のラインで繋いだアルミナムアーチ。張り出したリヤフェンダーなど、まさにグラマラスな曲線美。
これが当時新車で約400万円のクルマとは到底思えないですよね。このデザインだけでもRCZに乗る意味があるとすら思います。僕もこのデザインに一目惚れです。
外見だけでなく、中も質感高いのがRCZのインテリアです。インテリアの形状は、ベース車の308とほとんど変化はありませんが、ダッシュボードにレザー表皮が使われていたり、センターのパネルやメーター周り等にはピアノブラックとクロームが合わさっていたりと、随所に高級感を感じます。
また、308とは違い、エアコン吹き出し口中央にはアナログ時計が装備されています。これだけで一気に雰囲気が変わりますよね。もちろんシートは質感が高くしっとりとしたナッパレザーで、シートヒーターも装備されています。
こんなに”デザイン命のスポーツカー”だと思わせていて、かなり実用性が高いこともRCZの魅力です。大人が長時間乗るのには厳しい狭さですが、リヤシートはありますし、トランクの面積が非常に広いです。
また、リヤシートを前に倒すことでほぼフラットで長い空間を作ることができるので、ゴルフバックも余裕で2本は積めそうです。そして、RCZオーナーさんの中には車中泊をしている方もいらっしゃるようです。ちなみに狭いリヤシートですが、チャイルドシート用のISO FIXアンカーが備わっています。
実際運転してみてどうだった…?
今回試乗させていただいたRCZは、後期型の右ハンドル6速AT車。試乗する前は「RCZに乗るなら絶対MTで更に言えば270psの究極モデル、RCZ Rでしょ!!!」と勝手に思っていたのですが、このAT車が私の予想とは異なり、とても良かったんです。というかこれがベストなのかもしれない…とも思ってしまいました。乗る前から決めつけするのは良くないですね、反省しました。
ではどこが良かったのか。それは大きく分けて3つのポイントがあります。エンジンが気持ち良いこと、AT車で気楽に乗れること、そして視界が良いことの3点です。
RCZに積まれているエンジンは、PSAグループではお馴染みの1600ccターボエンジン、通称プリンスエンジンです。このエンジンのパワーは最高出力156ps、トルク240Nmと、スポーツカーのエンジンとして考えると少し物足りなく感じるかもしれません。しかし、実際に運転してみて思ったのは、RCZは「速い」というよりも「気持ち良い」を重視して作られたクルマなのではないかということ。刺激は少なくてもずっと運転できるクルマのような気がします。
よりパワーのある MT車 や RCZ R だとそのキャラクターは違うのかもしれません。しかし、AT車でも速さこそそこまで無いものの、スポーツカーに乗っているという楽しさは味わえると思いました。これには重心が低くて操縦性が良いことを作用していると思われます。安定感が凄くあるのです。
ATに関しては、最新の8ATやDCTではないので変速には少しラグはあるものの、スポーツモードに入れるとしっかりレッドゾーン前まで回してくれます。そのため、ワインディングでも楽しい運転ができそうです。残念なのはパドルシフトがないこと、もしあったら最高…すぐに買いたくなっていたかも。
運転するにあたって大事な”視界“については、スポーツカーの目線が低くて視界が悪そう…というイメージを良い方向で裏切ってくれます。というか視界が良すぎます。ガラスが大きくて前も後ろもよく見えるんです。特に後ろに関しては、そもそも真後ろがほぼガラスということで、とにかくよく見えます。
また、サイドミラーから見える盛り上がったリアフェンダーにかなり気分が高まります。運転中ずっと見てしまいそうになりますね。
総評:こんなに良いクルマだとは…!
まだ新車でRCZが買えた時にはディーラーで実車を見たり、実家の車の買い替え候補に挙がっていたりしていて、憧れていたRCZでしたが、実際にしっかりと触れるのは初めての経験でした。
こんなに良いクルマだったとは思いませんでした。スポーツカーにイメージされるような絶対的な速さこそありませんが、それが逆に日常的に使えるし、誰でも運転できるという利点にもつながっています。
日常的に使える非日常デザインのスポーツカー…最高じゃないですか。
今回の試乗を機に私の時期愛車候補がまた1台増えてしまいました。クルマ選びに終わりはありませんね。
【取材協力】
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