【EV電気自動車の先駆け】EV初体験の筆者が「テスラ・モデル3」をインプレッション

皆さんは「テスラ」と聞くとどんなイメージを持ちますか?

日本でも知らない人はそう多くない、テスラ社CEOのイーロンマスクが、新参EVメーカーとして本格的な車の生産から、より高レベルな完全自動運転の開発を手掛けています。EV・自動運転にとどまらず、宇宙分野や人工知能まで様々な分野を視野に入れており、今後もさまざまな分野で時代の先を行くメーカーになることは間違いありません。

今回は、そんなテスラ社の事業の中で主軸である自動車事業から、”EVの先駆け”ともいえる『テスラ・モデル3』のインプレッションです。千葉県は流山市、「流山おおたかの森ポップアップストア」にて展示試乗していた、テスラモデル3の試乗をさせていただきました。

一言で表すと…『IoT家電のような最新鋭のハイテクな車』でした。詳しくは本文にて。

スタイリッシュなボディ造形、グラマーなボリューム感

車のエクステリアは、フロントからリアにかけての曲線が美しいハッチバックのようなスタイリッシュなデザイン。車の側面のプレスラインが良いアクセントになっていてドアノブも格納されるのでかなりスッキリしています。ドアノブは車の後ろ側の部分を押すことで、手前に引くことが出来る仕組みになっています。

ドアはピラーレスになっているのでドアガラスの視界が良く、スポーツカーのような無駄のない、洗練されたデザインに。

モータージャーナリスト五味康隆さんが、モデル3インプレッションの動画にておっしゃっていましたが、車のボディの継ぎ目・リアゲートを閉じたときの隙間などが、かなり正確で緻密な設計になっています。車の側面の写真を見ると想像しやすいと思いますが、フロア下に大型バッテリーが搭載されていて、モーターも低い位置にあるのでかなり低重心な設計になっています。

荷物を載せる収納スペースとしては、ボンネットの空間とリアゲートを開けたトランクの2箇所があります。モデルYと比べると小さく見えますが、モデル3の幅は1850mmなので新型アルファードと同じ全幅なのでコンパクトカーに比べると意外と大きいサイズ感になります。(車の外観:写真①・②・③)

スマートフォンとカードが鍵になる!これが本当のキーレス!

まず驚いたのは「鍵がスマートフォンかカードタイプからも選べる」ということ!この書き方をすると語弊を生みますが、”キーフォブ”という通常のキータイプも選べます。

車に乗り込んでみると、水平基調にデザインされた視界の良い運転席という印象。大型ディスプレイが中央に配置され、その下にはスマートフォン2台をワイヤレス充電するスペースがあります。コードレス充電をしながらスマートフォンの置き場にもなるので、利便性の良さはピカイチなのでは?

【フィーリングも乗り味も期待以上!実際に試乗してみた】

今回のテスラ・モデル3の試乗が初めてのEV車の運転だったのですが、真っ先に驚いたことが「クルマが起動してからアイドリングの振動がないこと」。そんな状態で停止しているクルマが、滑らかな滑り出しと力強いながらもスムーズな加速をすることに驚きを感じました。

実際にアイドリングの振動がないこと・エンジンの音がしないことから、少し走り出した際には、車内の静粛性の高さがより目立ちます。前述にもありますが、通常の車にあるはずの”エンジンの振動・アイドリング音”もなく、モーターの回転音と抑えられたロードノイズが聞こえるだけなので、今までの自動車の感覚にはない「不思議な静けさ」でした。

余談になりますが…同社の他モデルである、モデルS・モデルYでは、医療レベルのHEPAフィルターを採用しているので、生物兵器までシャットダウン出来る空気清浄が可能になります。日本では、PM2.5のような大気汚染・黄砂・花粉までブロック出来るので安心感がありますね。この静粛性と気密性を兼ね備えたモデルでは、走るクリーンルームのような清潔な車内空間の実現が可能になります。

実際に市街地を走行してみると分かることは、低重心から来るクルマの安定感の高さです。

モデル3は、BEVの一番の重量物である大型のバッテリーを車体フロア下に搭載しているので、低速時はもちろんのこと、バイパスや高速道路の速度域でも、低重心で優れた安定性を体感することが出来ました。一般的なエンジンを搭載する車では、加速・減速の際にエンジンの重量がクルマにかかるため、加速時にはフロントが浮き、減速時にはフロントが沈むような車の動きを感じやすいと考えられがちですが、モデル3では低重心の設計のおかげで、加減速による重力を感じることはありますが、車体は非常に安定しているのが印象的でした。

また、交差点や緩やかなカーブでは、低重心と車重の恩恵もあるのか、地面にピッタリと張り付くような感覚があり、ロールも少ない、まるでスポーツカーに近いような引き締まった乗り味でした。

そんなドライブフィールは、走行モードの切り替えによってより顕著なドライビング体験を選択することができます。走行モードは、コンフォート・標準・スポーツの3種類から選ぶことができ、スポーツモードに至っては、入力の制御だけではなくステアリングの反応性や重さまでも、感覚として変わった部分が、個人的にポイントの高い部分です。

最近のクルマでも取り入れている車種が少なくない「ワンペダル操作」も、初めてドライブした身からすると、とても新鮮な印象を受けたポイント。アクセルから足を離すことでブレーキの効きを調整が可能で、アクセルペダルを離すことで、車が完全に停止するというもの。私は数回ほど交差点で停止するときに試してみると慣れることが出来ましたが、最初は少し違和感を感じるかもしれません。

乗り心地の体感としては、国産車に比べると硬く感じるかもしれません。段差や少し舗装がいたんだ道路、路面の細かなギャップまでをリニアに拾っていた印象です。個人的には少し硬い部類なのかなと感じます。

乗り心地にも影響するタイヤについては”ミシュラン・パイロットスポーツ4″が、メーカー承認タイヤとして設定されています。ミシュランの中では「ダイナミックスポーツグリップタイヤ」として位置付けられているタイヤで、優れたウェット性能と確かなグリップ感が売りのタイヤなだけあり、高い剛性感と乗り心地が両立されていた印象です。EV本体の優れた剛性感と低重心設計を引き出す、どの領域でも安心感のあるタイヤでした。

そんな路面の状況をリニアに拾う足回りのフィーリングですが、シートについては”柔らかすぎずほどよい弾力”で、長時間でも疲れにくい印象。シート自体の調整範囲も広いので女性の方でも運転がしやすく、良くも悪くも簡素なコックピットになっており、運転手が目にする情報はディスプレイに集中しているので、自分の操作したい設定がどこにあるか把握すれば、視点の移動を最小限に抑えられると思います。

総評:初乗車でも違和感ないEV。売れている理由が垣間見えた

テスラモデル3は、最新スマートフォンのような新しい製品好きにはたまらない洗練されたEVでした。

今回は短時間での試乗なので、公共のスーパーチャージャーや自宅での充電を活用した長距離の利用は出来ませんでしたが、街乗りでも運転したいEVでした。EVは将来的に全固体電池が搭載されるようになれば、1000kmの航続可能距離が実現できるようになるので、フル充電の状態であればガソリン車よりも遠くに行けるかもしれませんね。

自動運転も法律の規制と共にレベルが上がれば、高速道路から一般道まで全ての道路に対応する日も近いと思います。テスラのモデルチェンジ・最新モデルのサイバートラックなど、今後のEV戦略がとても気になります!

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