皆様はじめまして。勇と申します。
今回お届けする話題、それは「フェアレディZ」にまつわるお話になります。
私自身、3代目のZ31型フェアレディZを所有しており、思い入れの深い車種なのですが、現在では価格が高騰し、今や高級車の価格帯となっています。そんなフェアレディZについて、多少の独断と偏見も混じえつつお話させて頂こうかと思います。
「フェアレディ」の始まり
フェアレディZの起源はかつて存在した日産のブランドである“ダットサン”まで遡ります。
ダットサンというのは日産自動車の前身である軍用トラックメーカー「ダット自動車」の開発した試作乗用車に名付けられた名前がブランド名となったものだそうです。ダットというのは「脱兎」という意味で、逃げる兎の如く速いという意味が込められており、ソンの言うのは文字通り“SON(息子)”という意味。
ダットサンブランドでは、主に「排気量2000cc以下の乗用車」を中心に販売しておりました。そして1957年の東京モーターショーで4座のオープンモデルであるダットサンスポーツが公開され、北米でのテスト販売期間を経た後にダットサン・フェアレデーとして世に送り出されました。
「フェアレデー」の名は当事の日産自動車の社長である川又克二社長がブロードウェイのミュージカル「マイ・フェア・レディ」に感銘を受けたことに由来します。
マイ・フェア・レディは【下町で産まれた労働階級の花売り娘が過酷な修行を乗り越えることで上流階級社会の淑女として認められる話】でありますが、まさにその物語をなぞるかのように、1962年にフルモデルチェンジを行った2代目フェアレディはモンテカルロラリーで、ポルシェやアルピーヌといった1流のスポーツカーを相手に遜色ない走りを見せました。
そして1970年当時の北米日産の社長である片山豊社長の働きあり、アメリカのニーズに合わせた本格的なスポーツカーとして開発された「フェアレディZ」が誕生しました。
6代目となる現在の「フェアレディZ」は
幾度ものモデルチェンジを繰り返したフェアレディZは今では6代目となっており、歴史ある一流のスポーツカーとして走り続けています。
2022年に発表されたビッグマイナーチェンジモデルのRZ34型は3000ccのV6エンジンにツインターボで約400馬力といった欧州のスポーツカーにも引けを取らない性能を持っています。
モータースポーツにおいても、日本で人気のカテゴリーであるSUPERGTをはじめ、国際モータースポーツ連盟の規格であるFIA-GT4に適合させたレーサーモデルの開発等、フェアレディZは深く関わる関係となっています。
ですが、それに伴い現在のフェアレディZの新車価格はベースモデルで540万円、ハイパフォーマンスモデルのNISMOに至っては920万円とかなり高額になっています。
今のフェアレディZは「高すぎる」のか?
さて本題ですが、この価格設定が今のフェアレディZに見合っているかどうかという話になります。
結論としては、妥当・むしろ少し安い位なのではないかな?と思っております。
確かに現行フェアレディZは今の日本の平均的な家庭での所有は難しいかと思います。しかし、フェアレディZという車は庶民の企業が大衆に夢を与えた車という点が最も大切であるのではないかと考えています。
また車両のスペックから見ても600万という価格設定は納得できる物でもあり、どうあがいても手が出ない価格帯でもありません。
むしろ「マイ・フェア・レディ」がレディとして認められたように、フェアレディZが一流のスポーツカーとなったと考えられます。
スポーツカーであると同時に、ラグジュアリーカーでもあるこのクルマ
正直、現行Zの価格が公表された際に高いとは思いましたが、よく考えれば私のZ31もソアラ等のラグジュアリークーペと同価格帯であるため、新車のフェアレディZ自体は、昔から簡単に新車に手を出せる価格ではないんですよね…(笑)
一番の問題は「総生産台数の減少」と「物価高騰による中古車市場の高騰」が一番の問題ではないかなとも思っておりますが、その話は別の機会に。
ご一読頂きありがとうございます。