学生アルフィスタが『アルファロメオに乗る』ということ

はじめまして!tomokiと申します。

私は現在、都内の大学に通いながら『アルファロメオ・75 TwinSpark(以下75と呼びます)』に乗っています。この記事では、75というクルマに乗るまでに至った経緯や身の上話、75に乗ることによる、自身や周囲の環境の変化、このクルマに乗っていて感じることなどをツラツラと記していこうと思います。学生で”アルファロメオに乗る”ということの指標にもなればと思いますので、ぜひ最後までご覧ください…!

私と75

整備中の75

まずは75という車を乗るに至る経緯から。私の車好き、アルファロメオ好きは父の影響が大きく、物心つく前から家庭には常にアルファロメオがある、という環境で育ちました。自分が幼かった頃の父は車を乗り換えるスパンが短く、さまざまな車種(アルファロメオ以外も)に触れる機会がありましたが、中でも自分はトランスアクスル系のアルファロメオに惹かれていきました。5才ごろだったか、父がアルフェッタGTVを手放す際に寂しさのあまり泣き崩れたこともありました。

そんな幼少期が過ぎて自分が中学生になったころ、父は75からSZ(ES30)に乗り換えようとしていました。二人で出かけたある日、出先で突然父に


「75、免許取ったら乗るか?」

と真剣な表情で問いかけられたのです。てっきり75は手放すのだろうと思っていたため、最初はどういうつもりなのか理解ができませんでしたが、父は私が運転するようになるまで75を取っておこうとしていたのです。75に愛着のあった私の返事はもちろん

「乗るよ」

でした。あまりに迷わず答えたため父は驚き、本当に乗るつもりか何度か聞いてきましたが私の答えは変わりませんでした。

そこから75は車検を切った状態で約5年間の休眠を挟み、私が免許を取ると同時に路上復帰に向けて整備に入りました。その間に私は練習用の車を手に入れて運転経験を積みました。(この話はまた別の機会に)そして2022年4月、ついに75は復活し私のもとへとやってきたのです。

75が私に与えた変化

納車日@代官山T-SITE

手元に75が来てからというもの、自分自身や自分の周りにいろいろな変化がありました。それらを以下2つに分けて紹介していきます。

1.運転操作が丁寧になる

75が手元に来るまでは近代的な車に乗ることが多く、運転操作も特別なことは何も考える必要がありませんでした。しかし75を運転するようになり、トランスアクスル独特のミッション操作感やシンクロの弱さなどを意識して運転するようになったことで、他の車を乗るときにもその車に適した操作を常に考えながら運転するようになりました。結果として、ほとんどの車(戦前車は未知の領域)を不自由なく、車にやさしく運転することができるようになりました。


2.古い車に乗る知り合いが増える

自分は10年近くX(旧Twitter)に生息しているのですが、免許取得以前や75に乗る前と比べていわゆるエンスー車に乗る方々からのフォロー等のアクションが増えました。結果的に、PAに集まったり同じ走行会でサーキットを走ったりするだけでなく、一緒に食事や旅行をするような友人がたくさんできました。知り合った方々は自分よりも年上の方が多く、これまで所有されていた車の話など他ではなかなか聞けない情報が聞けるのはとても楽しいものです。

また、大学や高校時代の友人と出かける際に75を使うことがあり、もともと車に興味がなかった友人の中でも何人か古い車の魅力に目覚めてしまったケースがあります。


75という車

ツーリングにて

二年間75に乗ってみての評価をいくつかの部分に分けて示していきます。

1.見た目
これは個人的な好みになりますが、文句なしにかっこいいと思います。前方から繋がって跳ね上がるウェストラインは見てるだけで酒が飲めます。ボディカラーもあまり見ない紺色で派手にならず上品に乗れます。

2.乗り心地
かなり快適です。自分の75の足回りはコニショック+純正バネ(トーションバーもノーマル)という仕様なこともあり、全くもって硬さを感じることはありません。一般道でも高速道路でもしっとりしたフィーリングです。友達を乗せて出かけるとほぼ百発百中で私以外が全員爆睡します。これマジです。


3.走り


近年のハイパワーな車に見慣れているとカタログ出力145psという数字は非力に見えますが、実際に乗ってみると1190kgの軽い車体も相まって十分な加速をしてくれます。また、ギア比とエンジンのマッチングが良いため、高速道路での追い越しもストレスなく行うことが可能です。

コーナリングに関してですが、純正サイズのアジアンタイヤを履かせていることもあり絶対的なグリップは高くないですが、ソフトな足回りを上手く使って荷重移動で曲げる練習がしやすいです。純正で装着されている機械式LSDにプレートを追加して強化してあるおかげでスライド時のコントロールも非常にラクです。

4.燃費
いまどきの同クラスの車と比較すると少し悪い程度です。フル高速で燃費走行を頑張ると12㎞/L、一般道込みでそれなりに回して10㎞/L前後です。5速のギア比がわりと低い(100㎞/h巡航で3000rpmくらい)ので、高速でもあまり燃費が伸びないのが少し惜しいところです。
また、ガソリンタンク容量が49L(実際は45L前後でガス欠になりました)とあまり大きくないため、定期的に関東と近畿を往復する自分としては航続距離にもう少し余裕があると嬉しいところです。


5.サウンド

エンジンルーム


4気筒ツインカムとはいえVTECのような高回転ビンビンサウンドとはだいぶ違いますが、独特の荒々しいサウンドを響かせながら回転が上がっていくフィーリングは心地よいです。ノーマルマフラーなので音量はかなり静かですが、エンジン側から適度に室内に音が入ってくるので満足度は高いです。

6.維持

燃料ポンプ交換中の75

路上復帰の際に約50万円ほどかけて整備を行ったうえでの話にはなりますが、自分が乗るようになってからの維持に関してです。
古いエンジンなのでオイル交換頻度は高めにしていますが、オイル自体は5W-40以上なら基本的に問題ないためそこまで神経質になる必要はありません。パーツもある程度は国内で見つかります。クーラントタンクがこれまでに2度割れているので、もしかするとリプロ製品の質はあまり高くないのかもしれません。タイヤは純正サイズが195/60R14と平和なサイズです。アジアンタイヤも含めて探せば1本5000円前後からあるのでお財布に優しいと思います。プロペラシャフトのカップリングなどは消耗品であり、どこかのタイミングで割れるので交換用にストックしておくことをおススメします。
自分が乗っていて起きた一番大きなトラブルは燃料ポンプからの燃料漏れでした。兵庫に出かけているときに現地で突然起こったためかなり焦りましたが、トランクに予備の新品ポンプが積んであったのでその場でジャッキアップして交換しました。このときばかりは作業を手伝ってくれる知り合いが一緒にいて本当に助かったのを覚えています。
ちょうど現在車検整備中のため、終わり次第車検にかかった費用についてもまた記事として執筆予定です!

おわりに

75イコール壊れる、維持できない、といったイメージをお持ちの方が多いと思いますが、実際に維持してみるとそこまで苦労することは少ないですし、一部の弱い部分さえ知ったうえでパーツを用意しておけば怖いことはありません。パーツに関してはアメリカ輸出が行われていたおかげもあり、意外と入手しやすい状態です。知り合いによると、アメリカに輸出しなくなった後のFFモデル(155~147あたり)はパーツの欠品が多くなってきているといいます。

車両本体がまだ100万円前後で手に入るので、信頼できる主治医を見つけるor紹介してもらうことができれば楽しい75ライフが待っています。みなさまもぜひ!

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Editor

クルマ愛が高じてCarBoonライターになった大学生。
幼少期よりトランスアクスルアルファロメオに毒され続けている。
愛車はアルファロメオ75TS。