東京オートサロン2024閉幕!個人的に気になったモデル10台を厳選してご紹介!

1月12日から14日まで3日間開催された東京オートサロン2024が閉幕した。筆者も最終日の14日(日曜日)に見に行ってきた。ということで、今回は数ある出展車の中から個人的に気になったモデルを独断と偏見で10台に厳選して紹介していこうと思う。

LEXUS LBX MORIZO RR CONCEPT

このモデルを一言で表すなら、LBXの皮を被ったGRヤリス!

なぜならヤリスクロスのレクサス版とも言える新モデル『LBX』をベースに、オートサロン2024で発表された『進化型GRヤリス』のターボエンジンやフルタイムAWD、Direct Shift 8ATなどを採用した超スペシャル仕様だから。

モリゾウこと、豊田章男会長の実の愛車として、LEXUSらしい上質な走りと洗練されたデザインはそのままに、クルマとの対話を楽しみ、思わず笑みがあふれ、非日常の高揚感を味わえるハイパフォーマンスモデルに仕立てられている。所々にイエローのアクセントがあしらわれているのも、モリゾウのシグネチャーカラーを表現しているから。東京国際カスタムカーコンテストではコンセプトカー部門最優秀賞を受賞している。

MAZDA SPIRIT RACING RS concept

事前にCarBoonにて執筆した記事にて、マツダブースもピックアップしてご紹介しましたが、個人的には「モータースポーツベース」の出展で、何か目新しいものはないかな…と思っていたのですが、そんな前評判を突っぱねるくらいに『超カッコいい』クルマたちが展示されていて、現地で興奮してしまいました。そんなマツダブースから2台ピックアップ。

まず初めは、MAZDA SPIRIT RACING RS concept。この『MAZDA SPIRIT』というのは、今回のオートサロンで正式に発表された新ブランドで、同社としては「マツダスピード」以来となる、マツダのサブブランドとして一般ユーズに提供される新しい展開となる。その市販モデルとして参考展示されているのが、このロードスター。

マツダスピリットとしてモータースポーツシーンにて活動してきた中で、特にスーパー耐久で培った技術とデータを元に、足回りからエアロダイナミクスの進化、それらに合わせた内外装のアピアランスにも磨きがかかり、マツダからユーザーに対して新しい価値の提供に力を入れている想いが感じられた。

でもこのロードスターで、一番注目したい部分としては「ソフトトップモデルに2リッターエンジンが搭載されている」という部分だろう。マツダファン・ロードスターファンからしてみれば”待望”である2Lモデルの参考展示、今後の展開にも期待できるのではないだろうか。

MAZDA SPIRIT RACING 3 concept

“マツダスピリットレーシング”の第2弾として予定されているのが、このマツダ3をベースにスポーティに仕上げたモデル。コンセプトは先ほど紹介した『MAZDA SPIRIT RACING RS concept』と同じで、「速さ」と「質感」に拘ったハイパフォーマンスモデルとなっている。もともとのデザインの素性の良さを活かした派手すぎないモダンなエアロとカラーリング。そこに走りへの本気が伝わってくる細かいディテールが光っている。

マツダスピリットレーシングのエンブレムやインパネのエンボス加工などが、ドライバーに特別感や満足感を与えてくれる。個人的にはリクライニング付きのフルバケットシートはセーフとして、4点式シートベルトはちょっとスポーツに振りすぎな気もしなくもない。多少注文時に仕様を選べるといいかもしれない。

NISSAN ROOX BEAMS CUSTOMIZED CONCEPT

このルークスは、「思わず出かけたくなるクルマ」をコンセプトに、ファッション・雑貨・アートまでを国内外で展開する セレクトショップ「BEAMS」がカスタムを監修したコンセプトカー。

デニムをイメージした内外装を採用しており、ファッション要素をあしらったオシャレな1台に仕立てられている。シートには実際にデニムの生地が採用されており、裏地を表側にすることで肌に触れたときの感触がいいようにと工夫されている。また、あちこちにポケットが用意されていたり、ステッチやタグが施されていたりと「BEAMS」ならではの細かいディテールへのこだわりが見られる。

HYUNDAI NPX1

オートサロン初出展となるヒョンデは、今年発売予定の『IONIQ 5 N』を中心に、ヒョンデの高性能ブランドである“N”の世界観を表現したブースを展開した。そこで世界初公開されたのが、まるでレーシングゲームから飛び出してきたかのようなこのクルマ。その名も『NPX1』だ。

このモデルは、“N”ブランド初となる電気自動車専用『Nパフォーマンス・パーツ』のプロトタイプを装着しており、EVの可能性を追求したコンセプトカーとなっている。

SUZUKI Jimny 5door

すでにインド、南アフリカ、オーストラリアでは発表され、日本市場への導入を期待する声も大きい「ジムニー5ドア」。今回の展示車両はアクセルオートコーポレーションが並行輸入したインド仕様となっている。

5ドア化するにあたり、全長とホイールベースが3ドアよりそれぞれ340mm長く、全長は3820mm(スペアタイヤを含めると3985mm)、ホイールベースは2590mmとなっている。3ドアでさえ、本格的な悪路走破性能とアイコニックなデザインで大人気のジムニー。もし日本市場のラインアップに5ドアが加われば、荷物をもっと乗せたい、後席も積極的に使いたいという実用性重視のユーザーも獲得できるだろう。現に筆者にとっても5ドアのMTが登場したら本気で手に入れたい存在となっている。

Cal’s Motor Sonova

北米西海岸で生まれたオシャレなテイストのキャルルックカスタム。そんなキャルルックをハイエースやジムニーなどの最新車種に取り入れコンプリートカーを製作しているのが『Cal’s Motor(キャルズモーター)』というブランドだ。キャルズモーターの母体となったのは、カーオーディオでお馴染みのアルパインで、同社は数年前から事業拡大の一環としてエアロパーツなどの企画・販売を行なってきた。

キャルズモーターは、その考え方を一歩押し進めて、パーツ単体ではなくコンプリートカーを取り扱うブランドとして立ち上げられた。そして今回、東京オートサロン2024で初披露となったモデルが『Sonova』だ。フロントから見るとベース車がわからないほど作り込まれたボディキットだが、リアに回るとテールライトで日産NV200バネットがベースとなっていることが分かる。可愛らしい2トーンカラー含め、アメリカンなバンの雰囲気が見事に表現されている。

日産京都自動車大学校 ELGRAND GLASSIER

オートサロンの魅力として、企業が製作したカスタムカーの展示があげられるが、各種自動車学校の参加にも要注目だ。日産京都自動車大学校のブースに置かれたのは「ELGRAND GLASSIER(グラシア)」と名付けられたモデル。

ベース車両にエルグランドE52型を使い、ボディパネルの一部などを学生たちが製作した。フロントはエクストレイル、リアはアリアのパーツを流用し、最新の日産デザインを取り入れている。インテリアにはオレンジのアクセントを入れつつ、エクストレイルのステアリングに交換し新鮮味を加えている。他車種のパーツを組み合わせて、全体がバランス良く纏まってるところに感激してしまうが、さらに注目すべきはナンバーが付いていること。つまり公道走行が可能なのだ。去年フェアレディXで話題を呼んだ日産京都自動車大学校は、今年も素晴らしいカスタムカーを製作してくれている。

群馬自動車大学校 650vision

こ、これは…プリウスクーペ!?と言いたくなるこのモデルは、群馬県伊勢崎市にある群馬自動車大学校が製作した『650vision』というモデル。ベース車は2代目の「インテグラ タイプR(DC5)」となっていて、フロントにはプリウス、リアにはIS(社外品)のパーツを流用している。クルマの最新のトレンドをふんだんに盛り込み、さらに全体を綺麗な流線形でまとめることで一体感のあるエクステリアに仕上がっている。

よーく見ると分かるようにヘッドライト上部にはモリゾウのサインも記されており、モリゾウ公認の『プリウスクーペ』となっている。なお、現在はまだ製作過程ということで、今後はインテリアやオーディオのカスタムに加え、エアサスペンションも装着する予定。さらに公道走行も視野に入れて車検取得を目指すとのことなので、更なるバージョンアップに期待だ。

埼玉自動車大学校 S-FR Convertible

こ、これは…!東京モーターショー2015に出展されたトヨタの「S-FR」!いえいえ、実は「NCロードスター」をベースに埼玉自動車大学校が手掛けたカスタムカー。ライトウエイトFRスポーツとして大注目を集めたものの市販化には至らず、幻のクルマに終わってしまったコンセプトカーを学生たちの手で復活させてしまったのだ。

全体の雰囲気は2016年の東京オートサロンに展示された「S-FR Racing Concept」に近く、綺麗なパールホワイトのボディカラーや大胆なエアロパーツが印象的。ヘッドライトはミニ、テールライトはキャストのもので代用するなど、既成品を用いてこの再現性なのだから驚きを隠せない。

多様性に富んでいた東京オートサロン2024

Gazooブースでは、会長の愛車を展示する演出も。メーカーの垣根を感じさせない新しい風を感じた。

ここまで筆者が独断と偏見で厳選したカスタムカーを紹介してきたが、今回の東京オートサロンで感じたのは、クルマはカスタムを施すことで多種多様な個性を手に入れ、表現できるということだ。大手自動車メーカーのカスタムでは、マツダなど今後の展開にワクワクするようなスポーツサブブランドの発足であったり、日産とBEAMSの異業種によるコラボレーションなど、新しいアプローチが見られた。

また、BYDやヒョンデなど、”インポーター”や”BEV”のカスタムが増えたのもトピックの1つだろう。自動車大学校によるユニークなカスタムも魅力的だった。特に埼玉自動車大学校の「S-FR Convertible」は、可愛らしいデザインに小さく軽いエントリースポーツカーであることから筆者も大好きなモデルの1つだったので見ていて嬉しくなってしまった。メーカーが出来なかったことをやる。メーカーでは出来ないことをやる。クルマの可能性を追求するオートサロンは、今後クルマのトレンドが変わっていこうとも、日本の自動車文化を発信するイベントとして発展し続けるだろう。

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Editor

Hej Hej!東京在住のクルマ大好き人間のRioです!サイクリングも音楽も好きな高3(06)です。くるまマイスター検定1級。モータージャーナリストを志して「より多くの人にクルマの楽しさを知ってもらい、クルマのファンを増やす」をコンセプトに活動中!