遊び心を備えたBEVシティコミューター
ルーマニアの自動車メーカーで、現在はルノーグループの傘下であるダチアから、コンパクトBEVである「スプリング」が世界初公開されました。今回の改良は、フルモデルチェンジではなく、ビッグマイナーチェンジとなっており、基本部分は先代モデルと共用しています。
「スプリング」は、とにかく経済性にこだわったBEVとなっています。フロントに搭載されるモーターはベースモデルが45馬力、上級グレードでは65馬力となっています。後者では0~100km/h加速は13.7秒となっており、航続距離は最大220kmと予告されています。決して余裕のあるスペックとは言えませんが、シティコミューターというキャラクターや1トンを切るボディを踏まえれば、必要十分と捉えることもできるでしょう。
ボディサイズは全長×全幅×全高が3701㎜×1767㎜×1519㎜、ホイールベースは2423㎜と、狭い道でも運転しやすいコンパクトなボディを備え、軽自動車のような扱いやすさのBEVとなっています。
エクステリアは、最近発表されたばかりのダチアの「ダスター」と共通するデザインを採用しています。フロントは、SUVらしいたくましさを備えつつ、グロスブラックのパネルに溶け込んだLEDヘッドライトがシャープでモダンな雰囲気を放っています。また、樹脂製のバンパーの中央には、地図を模したデコラティブパネルも装備されるなど、小さいクルマだからこそ馴染む楽しげな要素も取り入れられています。全体的に厚みのあるデザインに仕立てられているため、数値以上に存在感を感じるエクステリアとなっています。
インテリアもイマドキな装備にアップデートされました。グリーンとカッパーのアクセントは、視覚的な質感を高めつつ、遊び心を感じる配色となっています。ドライバー正面には7.0インチのメーターディスプレイが標準装備。また、最上級グレードの「Extreme」には10.1インチのセンターディスプレイが採用され、さらにワイヤレスのApple CarPlayやAndroid Autoも装備されるなど、先進的なイメージも手に入れています。
さらに、ヨーロッパの法規対応に伴い、車線維持支援システムやエマージェンシーブレーキシステム、ドライバーモニタリングシステムなどの先進的なADASシステムも標準装備されています。
ダチアが強みとしている価格については、英国市場においては17000ポンド、日本円で約320万円ほどで展開されるとのことです。コンパクトで遊び心満点の楽しげなシティコミューター。BEVにピッタリなキャラクターを備えていると言えるでしょう。