天才デザイナー、マルチェロ・ガンディーニが手掛けた名車を振り返る

こんにちは、Canalです。

イタリアの自動車デザイナーで、数々のスーパーカーを手がけてきたマルチェロ・ガンディーニ氏が、3月13日に85歳で亡くなりました。マルチェロ・ガンディーニの名前は、スーパーカーファンではない一般のクルマ好きにも、よく知られた名前でしょう。彼は世界でも最も有名なカーデザイナーの一人で、世界中に彼のファンが存在します。そんな彼がデザインした数々の名車を紹介します。

ランボルギーニ・ミウラ

ベルトーネのチーフデザイナーに就任し、最初に手掛けたモデルが世界中で人気のある名車、”ミウラ”。日本では後述する「カウンタック」と共に、スーパーカーブーム時のアイドル的存在として、多くの人気を獲得しました。マンガ「サーキットの狼」の影響もあり、子供から大人まで幅広い層に知られた名車でしょう。

僅か980㎏という軽い車重に、350psを発揮するV型12気筒エンジンを横置きミッドシップで搭載し、最高速度は280km/hに達しました。また、”ミウラ”をベースにしたレーシングカーで「イオタ」というモデルも存在します。

https://ja.wikipedia.org/

しかし、正式には「イオタ」という名称ではなく、”ミウラSVJ”という名称だったり、本物の「イオタ」は現存していなかったりとこちらは非常に謎の多い一台。でも、謎が多いからこそ「イオタ」に惹かれてしまうのかもしれません。

ランボルギーニ・カウンタック

1974年に登場した”カウンタック”は、スーパーカーという枠組みを超えて、時代の象徴として広く認知されているのではないでしょうか。数々の映画や漫画で登場し、スーパーカーの代表的存在であると言えるでしょう。登場から50年が経過しましたが、その魅力や存在が色褪せることはありません。

特徴的なデザインは「プロペラのねじれ」をテーマにしたもので、くさび型のスタイリングや、平で低いフロントによく表れています。この抜群のスタイリングは空力的には数多くの問題があり、モデルライフ後半ではエアロパーツを装備して販売されていましたが、空力的不利であったとしても、このデザインの前で不満をこぼす人はいないだろうと筆者は思います。

茨城県潮来市にある「サーキットの狼ミュージアム」ではガンディーニが手掛けたランボルギーニの名車を横並びで見ることができる!

シャープなウェッジシェイプのボディは、当時としては斬新で、現代でもその美しさは色褪せません。ミウラと同様にV型12気筒エンジンを搭載し、最高速度は300km/hに達します。その非凡な外観と高性能なエンジンで、”カウンタック”は永遠の名車として位置づけられています。

フィアット・X1/9

1972年にデビューした、フィアット初のミッドシップスポーツカー、それが”フィアット・X1/9”です。”X1/9”は、大衆向けの「フィアット・128」の横置きFFのパワートレインを、運転席の後方に移植してミッドシップスポーツカーに変貌させた先駆的な手法を採用したのが革新的でした。

リトラクタブルライトや取り外し可能なトップなどを併せ持ち、シャープなウェッジシェイプのスタイリングが特徴的な”X1/9”は、ベルトーネのチーフデザイナーを務めていた時期に手掛けたモデルです。

また、デザインだけでなくホイールベースや全体のディメンションなどパッケージングにおいても、ガンディーニが関与したモデルでもありました。さらに、シャシー設計にはダラーラが参加。ガンディーニとダラーラがコラボレーションしたX1/9はもっと評価されるべき名車であると、個人的には思っているのです。

シトロエン・BX

ガンディーニは1979年にベルトーネから独立しますが、そのベルトーネ在籍時最後の作品が”BX”です。”BX”を機にベルトーネとシトロエンは関係を深め、その後のモデルでもベルトーネがデザインを担当しました。”BX”は、1982年に発売された5ドアハッチバックで、革新的なデザインや先進的な技術で注目されました。エアロダイナミクスに基づいており、CD値は0.341を実現しています。ハイドロニューマチックサスペンションや独特なインテリアで、シトロエンの伝統も受け継いでいます。

優れた乗り心地や、高い燃費性能がもたらす経済性の高さ、革新的なデザインなどが多くのユーザーに支持された”BX”は、シトロエン社史上「2CV」に続く販売台数を誇りました。”BX”は12年間生産され、その間にさまざまな派生モデルや改良が行われましたが、その革新的な特徴と独創的なスタイリングは、今なお多くのファンに愛されています。筆者も一度運転させていただいたことがありますが、シャープなスタイリングと走りに惚れてしまいました。

ルノー・シュペール5

https://ja.wikipedia.org/

電気自動車として復活することが話題を呼んでいるルノーのコンパクトカーの”5”(サンク)ですが、その歴史は古く、初代モデルは1972年に発売されました。ベストセラーモデルであった初代モデルに続いて、1984年に発売されたのが2代目となる”シュペール5”と呼ばれるモデルです。

ぱっと見では先代モデルと区別がつきにくい印象がありますが、内外装デザインはガンディーニが手掛けており、シンプルかつモダンなデザインとなっています。外観は先代モデルの延長線上にいるような雰囲気ですが、メカニズムが一新されたのが、シュペール5のトピック。

https://lautomobileancienne.com/

初代のFF縦置きエンジンからジアコーザ式の横置きFFとなり、室内空間や走行性能が大きく向上。「GTターボ」と呼ばれるホットハッチやシュペール5をベースにした商用モデルの「エクスプレス」など、様々なバリエーションが存在しました。1980年代のコンパクトカー市場で大きな成功を収めた”シュペール5”は今でもフランス車ファンに愛されている一台です。

マセラティ・シャマル

http://autoinfo.jp/

マセラティのデトマソ傘下時代に作られた最後のモデルが”シャマル”です。「カリフ」や「222」などのベースであり、宇忠一壊れるという異名を持つことで知られるビトルボ系マセラティの最高峰モデルとして誕生した”シャマル”は、2ドアクーペの「カリフ」をベースにチューニングを施したクルマ。

ガンディーニが手掛けた美しくエキゾチックなデザインは、イタリアンスポーツカーの色気を感じます。特にブリスターフェンダーの形状が最高です。また、リヤのホイールアーチの形状で、ガンディーニのデザインであることが感じられますね。この”シャマル”のデザインは後の「ギブリ2」にも近い雰囲気を感じます。ちなみに”シャマル”の前モデルとも言える「カムシン」もガンディーニがデザインを手掛けました。

http://autoinfo.jp/

搭載されているエンジンは3.2LのV型8気筒ツインターボで、外観に負けないハイパワースペックの持ち主です。残念ながら成功作とは言い難い”シャマル”ですが、今でもマニアの間では語り継がれる名車です。

ビトルボ系マセラティの最高峰のエヴォルツィオーネ。これは正に魅惑のクルマ。いつの時代も美しいデザインのクルマを世に放つマセラティの中でも、異様な存在感を放つ一台です。

カーデザイナーの巨匠マルチェロ・ガンディーニ

こちらもガンディーニがデザインしたクルマ、マセラティ・カムシン

シャープなウェッジシェイプや斬新なデザインで、いつの時代にも人々にインパクトを与え続けてきたマルチェロ・ガンディーニ。実用車からスーパーカーまで手掛けた彼のデザインは、自動車デザイン界に革命を起こし、今なお、そのデザインが色褪せることはありません。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

Editor

ルーテシア2からトゥインゴ・ゴルディーニR.S.に乗り換えた大学生。欲しいクルマが多すぎて困っています。