トヨタとレースで真っ向勝負へ
アルピーヌは5月10日、スパ・フランコルシャン・サーキットで開催されるWEC(世界耐久選手権)に先立ち、水素エンジンを搭載したコンセプトカー『Alpenglow(アルペングロー)』の最新バージョンを公開しました。
WEC第3戦スパ・フランコルシャン6時間レースの予選日である同日の午前中に披露された『アルペングロー Hy4』は、2022年のパリモーターショーで初公開された『アルペングロー』の初期モデルから多くの変更が施されています。2.0リットル直列4気筒の水素エンジンを搭載しており、アルピーヌはこの車両を「ローリング・ラボ(走る実験室)」と称するなど、将来的にル・マン24時間レースに水素エンジン車で参戦する強い意志を示しています。
『アルペングロー Hy4』は、気体水素を動力源としており、直列4気筒エンジンは約250kW(約340PS)を発生し、最高速度は270km/hに達します。水素タンクは55リットル容量のものが3つ搭載されており、気体状態の水素は700バールで加圧されて貯蔵され、レース条件下でも100kmの走行を可能としています。
その一方で、アルピーヌは既に液体水素への切り替えに取り組んでいると説明しており、『アルペングロー Hy4』の後継モデルは液体水素を燃料としたV型6気筒エンジンを搭載すると述べています。
『アルペングロー Hy4』は、初期モデルとは異なり、2シーターを採用しているほか、全幅と全高がWECのトップカテゴリーに参戦するハイパーカーに近いプロポーションを有しています。
WEC第3戦スパ・フランコルシャン6時間レースの決勝日である5月11日(土)の午前中には、ラリークロスドライバーのギヨーム・ド・リダー氏がハンドルを握り、デモンストレーション走行も行う予定となっています。