「自動車メーカーが携わる」ベビーカーの世界
私たち車好きが生まれて始めて乗った車というのはなんでしょう。両親が乗っている車?はたまた救急車?違います。乳母車(うばぐるま)です、ベビーカー。4つの車輪が付いている部分だけが同じではありませんよ!自動車メーカー、また自動車に関連している事業を展開しているメーカーが、その技術や思想、叡智を結集して作ったベビーカーから、自動車メーカーとベビーブランドの夢のコラボレーションを果たしているものまで、自動車好きお父さん・お母さんは一度は気になったことがあるであろう「自動車メーカーが作るベビーカーの世界」をご紹介しましょう。
なぜ自動車屋さんがベビーカーなの?

ベビーカーは、前提としてもちろん「赤ちゃんを快適に移動させる道具」なのですが、言い方を変えると「毎日の生活に寄り添う”モビリティ”」そのものでもあります。
自動車というものが、モビリティとして「人の安全に・快適に運ぶためのもの」であるように、ベビーカーも「人(=赤ちゃん)を安全に・快適に運ぶためのツール」でもあるのです。
サイズや動力源が違えど、同じ思想で設計されるということは、当然自然なこと。単なる話題作りやブランド拡張ではなく、車と同じ目線で「次のモビリティ」を考えた結果でもあるのではないでしょうか?
だからこそ!自動車メーカーや自動車関連メーカーが、その発想や文化を活かして、ベビーカーを生み出す動きが発生しています。すごく素敵な考え方だと思いませんか!?
公式ライセンス系ベビーカー
まずご紹介するのは、自動車メーカー公式やライセンス系のベビーカー。特に、そのブランドの車を愛車としている方であれば、自分らしさを日常に取り入れられる点が魅力です。
◆Jeep(ジープ)ベビーカー

「J is for Jeep」というシリーズ名で、日本でも広く使われているベビーカーです。自動車と同じく”Jeepらしいタフさ”や”アウトドア感”をモチーフにしたデザインが特徴で、ベビーカークラス最大級のインチ数を誇ります。また、4WDの王様といっても過言ではない同社の技術が投入されていて、前輪にはなんと3Dサスペンションを搭載。舵を切る左右のみならず、しっかりと路面の振動を吸収するための細かい考慮がなされています。
カラーラインナップも豊富で、バリエーションも2種類、お値段も¥15,400〜ということで、比較的リーズナブルにお買い求めいただけます。
◆Bentley(ベントレー)トライク

一般的なベビーカーの形とは違う”3輪車型”のベビーカー。文頭に「4輪」と申しましたが、自動車メーカーが造るという意味で…お許しください!
この3輪タイプのベビーカー、通称「ストローラー」とも言われますが、この名前は英語圏でのベビーカーと同義。お子さんの成長に応じて三輪車にも変形させることができ、ベビーカー期のみならず長く使える商品です。英国ブランドのコート、スーツ、アパレルからアクセサリーまでも、長く使えることが良い点ですよね。




こちらの商品も、”ベントレー”というブランドの世界観が活きています。日本で正規販売はされておらず、通販サイトのみでの販売が確認できましたが、その金額は…是非以下のリンクからご確認ください…
本国では、同社の「コンチネンタルGT マリナー」の名を冠した「6-in-1 マリナートライク」という、実際に存在している4輪モデルとのコラボレーションモデルも販売され、レプリカホイール、ハンドクロスステッチ、豪華なレザークッションシートなどが装備されています。価格は当時の現地通貨で595ポンドということで、通販サイトで買うことを考えたらこちらは案外お得かも…?いやいや、感覚が麻痺してしまっているかもしれません。

同じ公式でも「自動車メーカー純正アクセサリー」にラインナップ!
ベビーカーも純正アクセサリーの一部としてラインナップしているメーカーも存在します。車のあるライフスタイルの一つとして考えられている部分が粋だなぁと感じるのは筆者だけでしょうか?
◆ Audi(アウディ)

折りたたみは片手でコンパクトに操作できる設計となっており、ラゲッジルームへの収納もスムーズです。背もたれはリクライニング可能で、フルフラットにも対応。大きなキャノピー付きで日差しや風から赤ちゃんを守り、前輪は回転&ロック機構付きで取り回しも快適です。
さらに、別売りのAudiベビーシートI-SIZE対応アダプターを使えば、車のシートとの連結も可能と、家族のお出かけに寄り添う仕様になっています。
ブランドのイメージをしっかりを引き継ぎ、ベビーカーとしての実用性・利便性を損なわないプロダクトを作り上げたのは、自動車メーカーが本気で作ったという現れです。
◆メルセデス・ベンツ×Hartan(ハータン)

メルセデス・ベンツも、ベビーカーを純正ライフスタイルアイテムとして展開している数少ないメーカーのひとつです。主にドイツの老舗ベビーカーブランド「Hartan(ハータン)」と協業し、Mercedes-Benz Babyとして専門ブランドを立ち上げました。
Hartan(ハータン)は、1892年にドイツで創業した老舗のベビーカーメーカー。120年以上にわたり、ドイツ国内での生産にこだわり続けており、高い安全基準と堅牢なつくりで知られています。特に走行安定性やサスペンション性能、耐久性の高さには定評があり「実用性重視のプレミアムストローラー」を得意とするブランドです。

単なるコラボレートではなく、しっかりとプロダクトとして作り込むことに重きを置いて開発されたこのベビーカーは、自動車と同じように「AMG GT²」というモデル名が与えられ、メルセデス・ベビーの限定モデルとしてラインナップされています。安定感や走行性、操作の確実さといった部分に重きが置かれているのはもちろんのこと、ドイツの厳しい品質審査をクリアし、実証済みの安全性と人間工学に基づいた機能が赤ちゃんをしっかりサポート。「安全性を最優先するメルセデスらしさ」も感じられます。

ベースはそのまま、赤ちゃんだけではなくワンちゃんにもお使いいただける「キャリーコット」もアクセサリーとして用意されているので、お子さんが大きくなった際にも、また別の用途で便利に活用できます。
◆アストンマーティン × egg(エッグ)

英国の高級スポーツカーメーカー、アストンマーティンもベビーカーの世界に登場手がけたのは、同じくイギリス発のプレミアムストローラーブランド「egg(エッグ)」です。
流線的でモダンなデザインと、高い走行安定性・操作性を両立した設計を特徴で、都市部での使いやすさに定評があり、見た目の美しさだけでなく、サスペンションやフレーム剛性など”走り”の質も追求。ベビーカーをモビリティとして捉える思想が色濃く反映されています。




同じイギリスメーカー、モビリティとしてのブランドの世界観など、共通項の多い2つのメーカーがタッグを組み、本気のベビーカーを作り上げました。
アストンマーティンらしい落ち着いたカラーリングや上質な素材感が特徴で、スポーツカーのような派手さではなく、エレガントで洗練された世界観をベビーカーに落とし込んでいます。「英国流ラグジュアリー」を日常で味わえる一台として位置づけられています。
◆ BMW×nuna(ヌナ)

BMWがベビー用品ブランド「nuna(ヌナ)」と組んで展開している公式コラボコレクションも注目株です。
nuna(ヌナ)は、2007年にオランダで誕生したペアレンティングブランドで、シンプルで洗練された北欧・欧州デザインと、高い安全性・実用性を両立した製品づくりを特徴とし、ベビーカーやチャイルドシート、バウンサーなどを幅広く展開しています。直感的に扱える操作性や、日常使いでの快適さを重視した設計が評価され、世界的に支持を拡大。世界中の多くのお父さん・お母さんから支持されているところからも、デザイン性と品質の高さを兼ね備えたブランドであることがうかがえます。

この「Nuna × BMWコレクション」では、3種類のベビーカーがラインナップされ、どれもBMWのアイコン的なデザイン要素が細部に散りばめられているのが特徴。たとえば、フレームやファブリックにはBMWのロゴとパターンを精密なステッチで表現し、専用ホイールや高級感のあるマット仕上げなど、車ブランドらしい質感が印象的です。



機能面でも、日常使いを考えた走行性や快適性が追求されています。人気モデル「TRIV next」や「MIXX next」では新生児から体重22kg(4歳頃)まで対応するサイズで、しっかりしたサスペンションや収納力のある設計になっており、街なかやショッピングでも扱いやすい仕様です。
このコラボは、BMWらしい洗練されたデザイン性と実用性の両立を目指したもの。
車好きの家族にとっては「クルマとのコーディネート感」も楽しめる、毎日使いたくなるベビーカーです。
プレミアムメーカーとの公式コラボレーション商品も多数登場
一歩進んだ取り組みとして、真の公式コラボレーションも存在します。
◆フェラーリ× CYBEX(サイベックス)コレクション

CYBEX(サイベックス)は2005年にドイツで誕生した育児・子育て関連製品ブランドです。
ベビーカーをはじめ、チャイルドシート、ハイチェアなどを幅広く展開し、機能性とデザイン性を高い次元で両立。現在では、これらの分野において世界三大ブランドの一角を担う存在として知られています。
そんな「ベビーブランド界の御三家」が名門フェラーリとコラボレートしています。
象徴的なレッドやブラックを基調とした配色、シートやキャノピーの質感などは、内装を連想させるような風合いです。
ベビーカーのベースとなるのはCYBEXの上位モデル。ベビーカー以外にもさまざまなプロダクトでコラボレートしており、単なる育児用品ではなく「フェラーリの世界観を日常に持ち込む」ことを目的とした存在です。
◆ランボルギーニ× Silver Cross(シルバークロス)

Silver Cross(シルバークロス)は、1877年にイギリスで創業した、世界最古級のベビーカーブランドです。
英国王室御用達としても知られ、伝統的なクラフトマンシップと高い品質基準を受け継ぎながら、現代的なデザインや機能性も積極的に採用。クラシックなモデルから最新のプレミアムなベビーカーまで幅広く展開し「ベビーカーをライフスタイルアイテムとして成立させた存在」として世界的に高い評価を得ています。
そんな英国の老舗ベビーカーブランド「Silver Cross」とランボルギーニによる限定モデルは、高級感と遊び心を強く打ち出したコラボです。専用カラーや素材、ディテールに至るまで特別仕様となっており、存在感は抜群。実用性はもちろんのこと、ブランド体験を重視したモデルです。
日本の自動車メーカーが作っているベビーカーはないの?
日本では、自動車メーカーが造るベビーカーはCarBoon調べでは存在しません。日本にも多くのペアレンティングブランドが存在し、世界的にもプロダクトを発信していますが、日本の基幹産業である自動車、またそのメーカーとのコラボレーションが実現した暁には、素晴らしいベビーカーができあがるのでは…?と勝手に思ったりしています。
ただ!日本では、自動車メーカーではありませんが、自動車文化に根ざした”とあるブランド”から、ベビーカーが登場しているんです。
◆ TOM’S(トムス)

TOM’S(トムス)は、トヨタ系ワークスチームとしてモータースポーツの第一線を走り続けてきた、日本を代表するレーシングブランドです。日本最高峰のモーターポーツカテゴリである“SUPER GT”をはじめとする数々のレース活動で培われた「走り」「剛性」「信頼性」への思想は、車だけでなくライフスタイル製品にも反映されています。
車好きならではの視点が反映された“モビリティに近いベビーカー”として、また“根拠”と”実績”を兼ね揃えている商品として、車好きだけではない幅広い層から支持を集めています。



ベビーカーは、ヨーロッパの安全規格に適合しており、生後1ヶ月から48ヶ月ごろ(体重20kg以下)までお子さまの成長に合わせて長期間ご利用いただけるとのこと。またフレームの素材にはドライカーボンを採用し、軽さと強度を実現。足回りのセッティングに定評のあるトムスならではの「専用チューニング」を行なった、ベビーカー専用サスペンションを装着しています。
ベビーカーは自動車産業の技術が”やさしく活きる”商品だ!
そもそも、車にはさまざまな側面があります。でも、車好きにとっては『暮らしの一部であり、体験であり、カルチャー』であり、単なる”道具”ではありません。そしてその考え方は、自動車に関連する多くの商品・サービスにも浸透しています。
自動車ブランドが手掛けるベビーカーには、より快適な暮らしを実現させるために研究・開発を行なってきたノウハウが注ぎ込まれています。車好きのみならず、多くの方の生活・暮らしを豊かにしていくアイテムと言えるのではないでしょうか。まだまだ新しいジャンルではありますが、注目してみていると面白いかもしれません。












