【ルーテシアとは】ルーテシアオーナーによる歴代ルーテシア語り

私の現在の愛車はルノー・ルーテシアという車です。

フランス車好きのあいだでは、最早お馴染みとも言えるような、この小さなルノー車を最初の愛車にして1年以上が経過しました。

私がルーテシアに乗っている理由は、私の自己紹介を読んでいただくとして、実はこのルーテシアという車と私にはある結びつきがあります。

先日の記事内で代表セイタローが

同じ車種に乗り換えるって、そのクルマが凄くいいクルマなのか、オーナーの頭が凄く悪いのかの2択です。

と言っていたわけですが、私の場合は親子でルーテシアに乗っているのです。先ほどの結びつきとはこのこと。

世代が違うとはいえルーテシアが2台ある我が家。それだけこのルーテシアという車を気に入っているのです。

というわけでルーテシア、語らせてください!今回の記事ではルーテシアがどのようなクルマなのか、歴代ルーテシアを詳細にご紹介します。

別記事でルーテシアの魅力について紹介する予定ですので、そちらも是非!

実は「ヨーロッパで一番売れている車」

当然みんな知っているでしょ?みたいなテンションで始めてしまった本記事ですが、まずルーテシアってなんですか、どんな車?というお話。

ルノーのホームページでルーテシアのページを開くと、”パリが愛したコンパクト”という言葉が目に飛び込んできます。

これ、どういうことなのか疑問に思いますよね。大げさに言いすぎじゃないですか、と…。

ですがこの言葉、誇張しているわけでもないのです。

実はこのルーテシアという車、日本ではあまり馴染みのない車種かもしれませんが、ヨーロッパで爆売れしている車なのです。

というのも、現行モデルは『2020年にヨーロッパで一番売れたBセグメントコンパクトカー』で、1年で約22.7万台を売り上げました。また、先代はモデルライフを通して、『Bセグメントコンパクトカー売り上げナンバーワン』を記録した大ヒット車種でした。

ちなみに、1990年発売の初代からの販売台数の総数は約1600万台。ジンバブエの人口と同じぐらいの数と覚えておきましょう。

つい先日マイナーチェンジが発表されました

そして、ヨーロッパで売れてるだけの車じゃないのがルーテシア。

初代と3代目は欧州カーオブザイヤーを受賞しており、ルーテシアはただ売れているだけでなく、車としての実力も伴っていることがわかりますね。

歴代ルーテシア紹介

クリオミーティング2022

現在発売されているのルーテシアは5代目ですが、歴代ルーテシアどんな車だったんでしょうか。

初代ルーテシア(ClioⅠ)

ルノー5の後継車として、5より大きなボディと洗練されたデザインを得て、1990年のパリサロンで発表されたのが初代クリオ。当時爆発的に売れていたプジョー205とガチンコで戦うために、世界戦略車として開発されました。

日本でも販売されましたが、日本では商標登録の関係から、クリオの名を名乗ることができませんでした。そのため日本でのみ『ルーテシア』という車名で販売されることになりました。

また、初代で忘れてはいけないモデルが、1993年に発売されたクリオ・ウィリアムズ。F1チームのウィリアムズ・ルノーにちなんで名前が付けられました。

世界ラリー選手権に出場するためのホモロゲーションとして発売されたクリオウィリアムズは、僅か990㎏のボディに150馬力を発揮する2.0Lエンジンを搭載したホットモデルでした。

ウィリアムズカラーである、『ブルーのボディカラー』と『ゴールドのスピードライン製ホイール』が特徴的です。発売後すぐに顧客を惹き付けたクリオウィリアムズは、当初メーカーが予定していた3,800台を大きく上回る12,100台を売り上げました。現在では価格が高騰し、かなりのプレミアが付いています。ルノー乗りとしていつかは乗ってみたい伝説の1台です。

世界戦略車として発売された初代クリオは約400万台を売り上げる大ヒットになりました。

2代目ルーテシア(ClioⅡ)

私の現在の愛車がこちらの2代目ルーテシア。

1998年に発売されたルーテシア2は、アヴァンタイムや初代トゥインゴ、メガーヌⅡなどをデザインしたパトリック・ルケマン氏がデザインを手掛けました。

彼のデザインした車は、どれも好き嫌いの分かれる不思議なデザインと言ってもいいでしょう。アヴァンタイムやメガーヌのような奇抜で派手なデザインではありませんが、全体的に曲線基調で抑揚のある丸っこいデザインなのに安定感もあるように見える個性的なデザインです。

そして2代目で忘れてはいけないのが、欧州車好きにはお馴染みルノースポール。ルノースポールが手掛けた最初のホットハッチがルーテシア2R.S.です。

ルーテシア2R.S.は、5ナンバーサイズのコンパクトなボディにルノーの名機である2.0L F4Rエンジンを搭載した正統派ホットハッチ。

筆者の1.6Lエンジンモデルでも十分元気よく走ってくれるルーテシアに、約170馬力のエンジンを積んだR.S.楽しくないわけがないですよね。いつか乗り比べしてみたいです。

R.S.といえばV6エンジンをミッドシップに搭載した超過激マシン、『ルーテシアR.S. V6』も忘れてはいけません。これが正規輸入されていたというのも面白いですよね。

3代目ルーテシア(ClioⅢ)

2005年に発売された3代目は、ルノーと日産の提携が始まった影響を受け、当時のマーチやノートと同じ「Bプラットフォーム」を使用していました。

車の作り方が変わった時代ですね。3代目ルーテシアの特徴は、Bセグメントで初めてユーロNCAPで5つ星を得るほどの「衝突安全性」と先代で狭かった後席の居住性を得るために「大きくなったボディサイズ」です。

先代比で全長約20cm、全幅約8cm、全高約7センチ、大型化しました。

日本には、前期型では1.6Lエンジンを積んだベーシックなグレードのみがラインナップされました。しかしながら、後期型では2.0Lエンジンを積み、ワイドフェンダーやブレンボブレーキなどを装備したファン待望のR.S.モデルも僅か1年半程度でしたが、ラインナップされることになりました。

生産終了から10年以上が経ちますが、NAエンジンを6MTで楽しめるホットハッチとして未だに人気の高い1台です。

4代目ルーテシア(ClioⅣ)

私の実家で買い物のアシとして使われているのが、こちらの4代目ルーテシア。2012年に登場した4代目は、「全てが一新された」といっても過言ではないモデルです。

トレンドに合わせた、ダウンサイジング直噴ターボエンジン6速DCTのパワートレーン、ローレンス・ヴァン・デン・アッカーが手掛けたダイナミックなデザインなど、全てが生まれ変わりました。

既に発売から10年以上経ちますが、型落ち感を感じないこのデザインは秀逸ですよね。実家に納車されてから既に7年以上が経過しましたが、今でも見惚れてしまいます。

また、先代までは3ドアMTのみの設定だったR.S.モデルも5ドア+DCTになり、より多くの顧客を得ることに成功しました。しかしながら、その走りの楽しさは変わっていませんよ。

個人的に、R.S.と同じくらいに気になっているのが、モデルライフ中盤に登場した5MT900ccターボのエンジンを組み合わせたゼン。小排気量エンジンをMTで運転するという、まさに通好みの玄人仕様。小さいエンジンを積極的に回して、運転する楽しみがゼンにはありそうです。

5代目ルーテシア(ClioⅤ)

欧州ベストセラーだった先代モデルを正常進化させたモデルが、この5代目ルーテシア。外装デザインにはあまり変化がありませんが、大きく変わったのは内装と安全装備。

時代の流れにあったインパネディスプレイや、先代には搭載されていなかった360°カメラやACCなどの先進安全装備が標準で搭載されました。

また、昨年からは輸入車No.1の低燃費を誇るE-TECHフルハイブリッドも登場し、ルーテシアの魅力はますます高まっています。

残念ながらR.S.は消滅してしまいましたが、4WDのラリーカー、クリオ・ラリー3が発表されたり、ワンメイクレースのクリオカップはR.S.のない現行型でも開催されていたりと、クリオのモータースポーツへの挑戦は続きます。

最後に…

というわけで、『ルーテシアオーナーの息子でルーテシアオーナーの筆者』が、ルーテシアの概要と歴史を紹介してきました。

どの世代にも、個性ある尖ったモデルがあるのがルーテシアの面白いところです。いつか全部のルーテシアを集めてみたいなぁと思ったり。

ルーテシアがどんな車なのか分かったところで、次回の記事ではそんなルーテシアの魅力をご紹介いたします!

───あとがき

余談ですが、ここ最近修理続きだった私のルーテシア2がやっと戻ってきました。

久しぶりのルーテシア、こんな良い車だったっか…と、車屋さんからの帰り道は楽しく運転していたわけですが、家に帰ってトランクを開けたらリヤゲートダンパーがお亡くなりになっていました…。また入院ですか!?

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Editor

今日もトゥインゴゴルディーニR.S.に乗る大学生。欲しいクルマが多すぎて困っています。