【流行と共に振り返る】プレイバック!東京モーターショー 〜第1回 全日本自動車ショウ編〜

昨今の新型コロナウイルスの影響で、2019年以降開催されていなかった『東京モーターショー』が JAPAN MOBILITY SHOW と新たに名前を変え、今年10月26日〜11月5日にかけて開催されることになりました。

名前を変えて新たにスタートするモーターショーでどのような車が発表されるのかとても興味深いですね!

自動運転技術やEV化など、今まさに変化の真っ只中にある自動車業界ですが、その発表の場としてモーターショーがあります。

歴代モーターショーを振り返ってみても、可変バルブ技術やハイブリッドカーなど、モーターショーで発表されてきたモノは数多くあります。

https://www.tokyo-motorshow.com/

そこでCarBoonでは、「プレイバック!東京モーターショー」ということで、時代背景と共に歴代モーターショーを振り返っていきます。

初回は1954年に開催された記念すべき第1回全日本自動車ショウを振り返ります。

1954年の出来事・流行

1950年代、日本は戦後からの復興と産業の発展が始まった時代でした。神武景気と呼ばれる好景気が始まり、『白黒テレビ・冷蔵庫・洗濯機』の3種の神器が普及し始めました。

まだ自動車が身近なモノではなく、人々の憧れや新時代への希望の象徴のようなモノだったのです。まさに自動車は一般人にとっての高嶺の花でした。

では1954年の日本では何が流行していたのでしょうか?当時流行したものを調べてみました!

  • 歌謡曲・お富さん
https://dictionary.goo.ne.jp/

春日八郎が歌ったこの曲は江戸時代末期の歌舞伎「与話情浮名横櫛」を元に作詞されており、男女2人の恋愛を歌った曲で、当時大ヒットしました。

  • 特撮映画『ゴジラ』
https://eiga.com/

現在にも続く人気特撮シリーズ『ゴジラ』の第1作目は1954年に公開されました。日本における怪獣映画の元祖と呼ぶべき映画で、突如として現れたジュラ紀の巨大怪獣ゴジラが東京の街を破壊するという物語。

ただ街を破壊するだけの映画ではなく、戦後日本の反戦や反核のメッセージも込められた映画となっているようです。

  • プロレス中継
https://www.bs-asahi.co.jp/

1954年はプロレス中継が始まった最初の年でした。日本初の国際プロレス試合「力道山・木村 VS シャープ兄弟」をNHKと日本テレビの2局が中継したことが始まりだったようです。

街頭テレビには人だかりが起こるほどの人気だったとか。

  • ファッション・オードリーヘプバーン
https://eiga.com/

当時公開されていた映画『ローマの休日』、『麗しのサブリナ』の主演女優であったオードリーヘプバーンを真似たファッションが女性の流行でした。

映画の名前から付けられた八分丈・九分丈で細身のサブリナパンツや低めのヒールで浅いサブリナシューズが当時の流行だったそう。また、ヘプバーンカットと呼ばれたショートカットも流行だったようです。当時の映画の影響力の大きさに驚きますね。

第1回 全日本自動車ショウ

1954年の流行を簡単に紹介してきたわけですが、ここからは自動車の話題に移りましょう。

第1回東京モーターショーは、正式には『第1回全日本自動車ショウ』という名前で東京の日比谷公園で10日間開催されました。

記念すべき第1回ですが、前述のように自動車が高嶺の花だった時代です。そのため、展示車両は267車種でしたが、その多くは商用車やオートバイで乗用車の展示は僅か17台でした。

しかしながら10日間で54万7千人が来場し、人々の未来の自動車への期待と憧れが感じられます。

https://www.tokyo-motorshow.com/

1954年の自動車

日本のモータリゼーションの幕開けとなった第1回全日本自動車ショウですが、開催された1954年、どんな車が街に走っていたのでしょうか。

1954年発売の名車をいくつかご紹介。1954年発売の車って意外と少なくて、探すの大変でした…。

  • プリンスセダン
https://www.nissan.co.jp/

1952年に発売されたプリンスセダンですが、その2年後の第1回全日本自動車ショウでその2型が出展されました。当時としては先進的な4MTが搭載されていました。

また、当時の皇太子殿下がご愛用していた車でもあったようです。

  • 日野ルノー4CV
https://www.hino.co.jp/

正式には1953年発売の車ですが、当時の日本で行われていたノックダウン生産を象徴する1台としてご紹介。

ルノーと技術提携を結んだ日野が生産していた車でその多くはタクシー用途で使われていました。

初期の日本の自動車史を築いた車とも言えます。ルノーの菱形エンブレムの中央に日野の文字があるのが面白いですね。

  • フォード サンダーバード

11代続いた歴史あるフォードのオープンカー、サンダーバードも1954年にデビューした車です。

1954年のデトロイトモーターショーにて発表されたフォードサンダーバードは同じくアメリカのシボレーコルベットに対抗すべく生まれたコンパクトな2人乗りオープンカーです。

コンパクトといっても、そこはアメ車です。初期型に搭載されているエンジンは4.8Lと、とてもコンパクトとは言い難いですね。

  • メルセデスベンツ 300SL

ドイツが世界に誇る自動車メーカー、メルセデスベンツの高級スポーツカーの300SLも1954年に発売されました。トヨタ博物館にも展示されており、昔の車ですが知っている方も多いのでは?

300SLの特徴といえば市販車としては世界初のガルウイングドアですよね!また、昭和の大スターである石原裕次郎の愛車だったことも有名です。

こうして日本車と輸入車を比べると当時の輸入車がいかに進んでいたのかが分かりますね。日本車がノックダウン生産していた時に外国ではスポーツカーを作っていたわけですから。

そして同時に、こんなにも遅れをとっていた日本のモータリゼーションが、現在では他国に劣らない程に急速に発展してきたことも見て取れます。

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Editor

ルーテシア2からトゥインゴ・ゴルディーニR.S.に乗り換えた大学生。欲しいクルマが多すぎて困っています。