こんにちは、セイタローです。
皆さまは「e-Sports」というものをご存知でしょうか。ご存知でしょう。
“趣味”や”道楽”として楽しまれていたゲームというものが、今や職業として社会的に普及し、認められつつあります。
このウェブメディアをご覧の方の大半はクルマ好きだと思います。そんな皆さまが絶対に1度はプレイした事のあるゲームを当てて見せましょう。
思い浮かべてください…リッジ○ーサー?頭文字○?湾岸ミッ○ナイト?
…
そうです、グランツーリスモです。
知らない人はいない、2023年現在まで25年の歴史を持つ、レースゲーム界不動の王者。
そんなグランツーリスモは、ゲーム業界で見ても早い段階で、リアル×バーチャルの取り組みに力を入れてきたとも言えるタイトルです。
また最近では、前述の「E-Sports」の分野で、グランツーリスモのみならず、さまざまなレーシングシミュレーション出身の『バーチャルドライバー』が、リアルなレーシングドライバーに転向する例も多くあります。
そんな”夢へのルートが多様化し始めている”現在に、バーチャルレースからリアルレースにチャレンジする1人のドライバーに注目し、密着を行うことにしました。
密着先もいわば「グランツーリスモ出身」ドライバー。ゲームの世界ではトップレベルの速さを持つドライバーです。
レーシングドライバーを夢見る若者たちへの道しるべ、指標となってくれればいいなと思いながら、連載企画としてお届けします。
次世代のレーシングドライバー
今回密着させていただくのは、弱冠20歳のドライバー、「ワイパーさくら」こと角間くん。
角間 光起 (カクマ コウキ)
2002年4月28日生まれ、神奈川県出身。WRF所属。ハンドルネームは”ワイパーさくら “。
クルマ好きだった祖父の影響で、物心ついた時からクルマ好きとして育つ。2019年に開催された「全国都道府県対抗eスポーツ選手権2019 IBARAKI」では、神奈川県代表選手として活躍。2021年にはJeGTに出場し、その後e-Sportsチームに加入。
グランツーリスモを中心にさまざまなレースに参戦するとともに、今回からリアルレースに挑戦する。
実は彼、実車ではルノー・ルーテシアR.S.に乗っていて、私とはルノー繋がりで知り合った方です。免許を取ってクルマを手にしてからというもの、山からサーキットから一緒にクルマ遊びをする、いわば”可愛い後輩”と言ったところでしょうか…?(自分が後輩だと思っているだけかもしれない)
普段は温厚ですごく優しい角間くんですが、ひとたびハンドルを握ると、そのギャップに驚くほどアグレッシブなドライバーへと表情を変えます。
元々知っていた仲の方を取材するのは少し小っ恥ずかしいのですが、まだまだ私も知らないところが多いので、インタビュー形式で彼のことを掘り下げていきましょう。
今までの文章で、皆さんが「ん?」と思ったポイントであろう『なぜワイパーさくらという名前なのか』という部分も、もちろん聞いてきました。
めちゃくちゃベタな質問なんだけど、どういう経緯でなんでクルマ好きになったの?
プライベートではこんなこと絶対聞かないよね(笑)
確かに!(笑)
正直、物心つく前からクルマが好きだったみたいで…
気がついたらクルマ好きとして育っていったみたいな感じです!
お父さんとかお母さんとかがクルマ好きとかだったり?
この前、別の記事で取材をした際には、親御さんがクルマ好きで…というのが多くて
ぶっちゃけ両親は全くクルマに興味がなくて、多分クルマ界隈では凄く特殊な環境で育ったんだと思います。
ただ、僕のおじいちゃんが、クルマ好き…というか乗り物が好きで、僕がクルマ好きというのを知ってから「このクルマはトヨタだよ!」とか「このクルマはこういうエンジンなんだよ!」っていうのを教えてくれるようになって。
そこから、多分皆さんが小さい頃にやっていたと思う「クルマのチラシ集め」をし始めて、詳しい車種とかを覚えっていった感じですね!
やってたやってた!休み前の土日には自動車系のチラシが多かったよね、それを見つけてはマジックペンでカスタムしてた(笑)
全く同じことしてました(笑)
“グランツーリスモ”は、いつ頃からやっていたの?
うろ覚えなんですけど、それこそ3~4歳の頃から…
早くない!?喋れるようになって間もなくない!?
その頃だと世代的に『グランツーリスモ3』とかかな
えーっとね、確か家にあったのは3かなぁ?
親がたまたまプレイステーション2を持っていたから、それを横取りして…(苦笑)
たびたび、「グランツーリスモをプレイしたい僕」vs「テレビを見たい両親」のテレビ争奪戦が起きて喧嘩になるみたいな(笑)
そこから始まるクルマ好きって感じだと思うんだけど、実際にリアルなレースの方に気持ちが寄っていったタイミングっていつくらいなの?
小学校高学年くらいの時に、SUPERGTとかレースを見るようになってからかな…。
「自分もレーサーになってレースに出たいな」って夢として思うようになったんですけど、正直その年齢からカートとか始めるとなると、両親の金銭的な負担が凄くかかるというのがあって諦めました。
その夢は憧れとして抱いたまま、しかたなくレースゲームをずっとやっていて(笑)
そうしたら、「グランツーリスモからレーサーになれる」っていう企画を、ポリフォニーデジタル※が「GTアカデミー」っていうプロジェクトを始めて。
それを知った時には「これ、もしかして自分にもレーシングドライバーになるチャンスがあるんじゃ?」と思って、バーチャルからのルートを模索している時に、ELEVレーシングドリームからレースに参戦するチャンスをいただいた感じです。
※ グランツーリスモの制作会社
今ちょうど話題に出た、”ELEV RacingDream“レーシングドライバーオーディションを受けて、合格し、スカラシップを受けてレースへの参戦という事で、このオーディションを知ったのはどういうきっかけで?
元々同世代の知り合いの子が、ELEVからフォーミュラのレースに出ていて「やっぱり自分もレーサーになりたい!」って思うようになって!
そしたら、ちょうどオーディションの募集が始まったのを知って、「これはやるしかない!」と思いました
ELEVさんって、フォーミュラ以外にもロードスターのパーティレース参戦だったりとかをやられていると思うんだけど、なんでFJ(フォーミュラ)を選んだの?
一番は、初めて観戦レースがその知り合いの子が乗っている、今と同じフォーミュラのレースで、そこから「フォーミュラに乗ってみたい!」となったことですかね…もう一つは金銭的な事情かな。
もし仮に廃車レベルのクラッシュをしてしまった時に、箱車(ロードスター)とフォーミュラを比べると、比較的フォーミュラの方が費用が抑えられると、事前にいろいろな方に教えてもらって、もちろんチームオーナーの前田さんにも相談して、「自分が思う存分走れて楽しめるのはフォーミュラかな?」と思って、フォーミュラを選んだって感じです
あとは、今後F4とかスーパー耐久とかへのステップアップを考えた時に、FJ(フォーミュラ)の方がいいんじゃないかなと思ってという部分もある!
角間くん自身、実際にステップアップするとなったらどのカテゴリに行きたい?ぶっちゃけで大丈夫(笑)
んー、やっぱり理想はF4かな!!(笑)
そこからどんどん速いクルマに乗っていって、最終的には夢見てたSUPERGTとかに出てみたいなーって思ってます。
あと一つ、知り合った頃から気になってるんだけど、なんでハンドルネームが「ワイパーさくら」なの?
知り合った頃にはこの名前だったよね(笑)
小学生の頃から元々“sakura”っていう名前でゲームやってたのですが、高校2年生の時に出場したグランツーリスモの国体本大会で、「1人だけワイパーを動かして走っていた」事がキッカケで…
そこで結構ネタになって、その後グランツーリスモでずっとワイパーを動かしながら走っていたことが定着してしまって、この名前に(笑)
Next…ELEV RacingDream 代表から見た”彼のポテンシャル”