【連載企画】”グランツーリスモ”から”リアル”に挑戦するドライバー #1

 シミュレーターあがりのドライバーは、実車に乗っても速いのか。

©︎CarBoon

私もグランツーリスモやシミュレーターでレースに参戦したりすることがあります。

某世界チャンピオンの方やプロドライバーの方と一緒にレースへ参加するなど、普通の方では体験できないようなことを過去体験してきたのですが、やはり侮れないのは”シミュレーションの力”。

レーシングドライバーの方々、特にトップカテゴリでは、毎日のように実戦のレースマシンで練習することはできません。これ意外と知らない人多いと思う。

クルマ好きの方だったら1度は聞いたことのあるカテゴリ、”SUPERGT(SGT)”や”SUPER Formula(SF)”をはじめ、その他の競技では、基本的にレースウィークしか実戦を戦うマシンに乗ることができません。そんな中で、レースウィークにある少ない公式練習の時間に、マシンのセッティングを出し、チーム一丸となってクルマ作り上げ、過酷な戦場を走り抜くのです。

じゃあどうやって練習するの?というと、それこそシミュレーターの出番です。

角間くんが所属している、ELEV RacingDreamの代表である 前田大道 さんは、自身も現役のレーシングドライバーとして活躍。その他、レーシングシミュレーターショップの店長やレーシングインストラクターなど、レース業界で幅広く活躍されています。

多くのドライバーを見てきた前田さんはこう言います。

“バーチャル”と”リアル”のリズムの違い

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バーチャルで走ってきたドライバーが実際に実車に乗った際に、必ずしもみな応用ができていて、間違いなくシミュレーターでの経験が生きているとは、簡単には言い切れないです。

問題なのは”どういう意識でバーチャルで走ってきたか”なんです。

バーチャルで速く走れる人って「バーチャル内」で速く走れることに慣れてしまって、どんどんリズムゲームのようにタイミングで暗記しながら、”ゲームっぽく”攻略してしまうと、リアルに乗っても絶対に適応できないと思います。

ただ、彼(角間くん)は、一般的なシミュレーターあがりのドライバーとは一味違う。

クルマの運転というものに対してきちんと考えながら、バーチャルを活用して、e-Sportsの世界で戦ってきた彼は、実際にリアルなレースに出ても速いと思います。

今、角間くんは、「上手い子たちの仲間入りをする」か「いい感じだね~で終わる」かの境目にいると思っています。あとは本人のやる気や、成長に対してどれだけストイックになれるかという部分の差が出てきます。彼に関しては、後者で終わってしまう心配はしていませんが…(笑)

ただ、ここでどうしても先に進めないドライバーはたくさん出てきてしまう。表彰台争いができるドライバーになるか、タイムも伸び悩んでしまい結果が出せないドライバーになるかという局面にいることは事実ですかね。

角間くんに対しての評価と今後の展望

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お世辞抜きで、彼は「素質満点」。

現状やる気も凄くあるし、彼自身が「どこまで行けるのかやってみたい」という探究心を凄く持っているから、僕もその力になりたいという気持ちです。自分自身、彼がちゃんとしたクルマの走らせ方を学んだり、経験を詰み、理論が備わってくると、確実に僕よりも速くなる素質があるドライバーであることは確かです。

現状でも、練習で彼がときどき見せる「スペシャルな走り」っていう部分で、僕でも理解の及ばない速さを見せる時があります。あくまで、僕が持っている常識の中での話なのですが、その常識を打ち砕くような”個人の力”が彼にはあると思います。

今後の彼の未来に関して、本人がどこまでレーシングドライバーとして求めているのかという部分は、もっとやっていかないと分からないことなのですが、僕個人の期待としては「ELEVからフォーミュラライツドライバーとSUPERGTドライバーを輩出したい」という夢があるので、そこまで到達できるドライバーとして成長できれば、凄く嬉しいですね。

Next…実際に練習風景を見学!筑波サーキットに行ってみた

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Editor

セイタローのアバター セイタロー 代表/編集長

CarBoonを含め、自動車関係のウェブサイトをいくつか運営してたり色々やってる大学生です。1つはカテゴリ日本一だったりします。
物心ついた時から車好きで、現在の愛車はルノーメガーヌR.S.。